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映画レビュー
タイトルなし
TIFF2023にて。
愛や友情、生きることをテーマにしたLGBTQ映画。94年の当時の台湾をモチーフにしていて、懐かしさ然り。
まずは劇中歌『モニカ』に度肝を抜かれる
。こちらはレスリー・チャン版だが。
当時のレコメンドインパクトが凄すぎる…(苦笑)。
さらに追い打ちをかけるようにラストで、も一回流れて、もう、家に着いても、モニカが忘れられなくなります。
実在した監督の恩師である、塾講師のミッキー先生。90年代だとかなり前衛的な思考の刺激的な存在であったろうと思う。
そして、こういう個性的な人を1人の人間として好意的に受け入れる監督の感性もまた素敵だなぁと思いました。
アイデンティティを探している10代の頃は、没個性にしたがる大人に反発して、未知の世界へいざなう大人が、とても羨ましくて魅力的に感じたが、この作品も、テーマこそLGBTQだが、目線はジュブナイルなので、こういう自分探しの旅というのは、どこで生まれて、どんな環境で育っても、同じなんだなぁ〜と、甘酸っぱい気持ちにさせられる映画でした。見て良かったです。
思春期男子の悩みは万国共通
個人的にブロマンス映画の最高傑作と思っている『スーパーバッド/童貞ウォーズ』よりもさらに踏み込んだ、自分はゲイなのかと悩む男子学生を描いている。友情なのか愛情なのか分からなくなる心情は、たぶん男子なら共感できるはず。要は思春期男子の悩みは万国共通なのだ。台湾が舞台という事もあって、90年代の日本芸能がチラつくあたりも興味深い。
それに併せて、昨今のダイバーシティを反映したLGBTQ+事情にも触れる。それを象徴する曲としてレスリー・チャンの『モニカ』を引用しているのに唸らされた。吉川晃司の原曲とは大きく違う歌詞、それを歌うのがレスリー…切なすぎる。アジア映画界は本当に偉大な才能を夭折させてしまった。