劇場公開日 2024年3月1日

「騙され感は十二分でした」ARGYLLE アーガイル Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5騙され感は十二分でした

2024年3月27日
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鑑賞方法:映画館

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◉最初の騙され
エリー(ブライス・ダラス・ハワード)の小説中のアーガイルと、現実のスパイのエイダンが絡んで、巻き込まれた小説家は結局、どちらに救われるのか? 二人のエージェントが入れ替わる様がアーガイル柄と言う訳で、話はどんどんファンタジックでコミカルに傾いていった。前半はそんな、とても軽い流れに身を任せていました。何が出てきてもそれなりに愉しいと思っていたんですが、フッと見事に裏切られましたね。もちろん、それは大快感でした。

エリー自身が本物のエージェントで、記憶を失くしていたと言うオチは有りそうなのに、アーガイル柄の二人の男がいたせいもあり、思いつかなかったです。彼女はあくまで護られる側で、でも強い予知能力があり、それで諜報戦にコミットしていくと予想していたのです。小説に加筆したり、書き変えたりして、それにつれてファンタジックに展開がコロコロ変わる。

このへんで、サミュエル・L・ジャクソンが登場して、「ディープフェイク」とか、「記憶は消えることはないけれど、どこまでも沈んでいく」などと呟やいたのも、私にとっては魅惑的でした。騙されながら、更に物語の深部まで引き込まれていくのだと言う気持ち良さ。

◉二度目の騙され
ただ、エリーがアクションにまで参加するとはたまげた。しかしこちらの裏切られには、私は正直言って、ついていけなかった(いや本当は見映えの艶やかさに見惚れたんですけれど)。アーガイルとエイダンを巧みに操って、拗れた路線を修復するとか思ったのに、ご自身が颯爽と参加してしまった。

ブライス・ダラス・ハワードはどちらかと言うまでもなく、上品で控えめで豊満で、蠱惑感一杯で、ソロソロと口説きたいタイプ。発煙筒で五色の煙を撒き散らして、ダンスしながら敵を撃ち尽くしていった、このコミカルで刺激的な展開が、私的にはハマらなかった。エリーならば身体能力よりは、頭脳戦やサイコパワーだったと思うのですが。
第二幕の石油上のアイススケートは、更に残念でした。油やツルツル面での命の取り合いは、時代劇・現代劇などジャンルに拘らず、最高にヒリつくシーンだと思うのですが、うーん、何とも無理目に見えただけに終わってしまった。

私のガッカリは結局、真一文字に貫かれた今作のコミカル+ぶっ飛び路線に(特に後半)、乗り切れなかったせいでしょうね。

Uさん
たつのこさんのコメント
2024年4月1日

コメントありがとうございます。何かあのハチャメチャ感でインド映画の面白さと重なってしまいました

たつのこ
琥珀糖さんのコメント
2024年3月30日

共感・コメントありがとうございます。

「キングスマン」に較べると、整理整頓したスタイリッシュさは
足りなかったですよね。
ダラス・ハワードさんのアクションもエルトン・ジョンのアクション的に、
ドタバタコメディでしたね!!
180度開脚は、やっぱりディープ・フェイク?
やはりそうでしたか?
この役のためにハワードさんは増量したとも聞きましたが、
そうですよね、頭の良い切れ味が、もう一捻りあると
良かったですね。
サム・ロックウェルが好きなので、大作映画でスパイなんて大出世して嬉しかったんですよ(笑)

琥珀糖