劇場公開日 2023年12月29日

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「まばゆいターコイズブルーに彩られた海の美しさ といったらもう・・・オーストラリア」ブルーバック あの海を見ていた 大岸弦さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0まばゆいターコイズブルーに彩られた海の美しさ といったらもう・・・オーストラリア

2024年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

知的

ブルーバック あの海を見ていた
神戸市内にある映画館「シネ・リーブル神戸」にて鑑賞 2024年1月1日
パンフレット入手

豊かな恵みをもたらすオーストラリアの海に育まれ、人生でいちばん大切なものを見つけた母と娘の物語

海洋生物学者の若い女性アピー、アピーの母親が脳卒中で倒れてしまい、西オーストラリアの海辺の町ロングボードウェイに帰ってくる。症状は軽く退院したドラは美しい海を一望できるが、ことばをまったく発しなくなっていた。
アピーはこの家で過ごした少女時代に、思いをはせていく。8歳の誕生日にロバースヘッドという入り江に初めて潜り、巨大な青い魚の”ブルーバック”に出会った宝物のような体験。環境活動家だったドラから、豊かな恵みをもたらしてくれる海の素晴らしさを教わったこと。それはかけがえのない日々を振り返って、自らの原点を見つめなおしたアピー。自然保護に人生をささげた母の意思を受け継ぐ決心をしたのだった。

アピー15歳のとき、ロングボードウェイの町ではリゾート開発の工事が進んめられていた。ドラは湾の生態系を破壊し兼ねないと猛反対し抗議活動の先頭に立った。アピーは都会への高校進学を希望していたのでドラと対立してしまう。和解した母娘はリゾート開発の是非を巡る町役場の懇親会に出席しその重要性を訴えた。ブルーバックに密猟者の悪手が迫っていることを察知したアピーは、ロバースヘッドの海へ潜り、身を挺してブルーバックの命を守るのだった。

現在 ドラは少しずつ回復し、アピーが語り掛けると笑顔でかえしている。しかし環境保護に並々ならぬ情熱を燃やし、生き急ぐ人生を送ってきたドラは、まもなく永遠の眠りにつこうとしている。
アピーは改めて見つめなおし、海のすばらしさをおしえてくれた母ドラの意志を継ぐ決心をし、かつてブルーバックと巡り合った思い出の入り江にむかうのだった。

ブルーバックとはこんな魚
正式名称は「ウエスタン・ブルーグローバー」
西オーストラリア州のハウトマンアブロルホス諸島からメルボルンまで、水深5~65メートルの海域に生息するベラ科の一種
サンゴ礁に生息する最大の硬骨魚類
体長約1.7メートル、体重は約40キロ
耳石とよばれる魚の耳の骨は平衡感覚をつかさどる組織で樹木の年輪のように輪紋(りんもん)が刻まれている。輪紋は1年に1本のため、これらを数えることで魚の年齢を推定することができる。
この種の魚は約70年も生きられることがわかっている。
産まれた時は皆メスで体の色はグリーン。グローパーが属するベラ科は雌雄同体が一般的と言われ、全てではないが30~35歳頃に体の色がブルーとなりオスへ変化するケースがある。
オスが群れからいなくなると(たとえば漁や捕食、老齢など)、群れの中のメスがオスへ変化し、いなくなったオスの代わりとなると言われている。
数日後、メスの体色はオスのものに変わり、約14日以内に性別は完全にオスに変わる。
この変化の結果、他のメスはハーレムの社会的順位がひとつ上がり、一番下には新しいメスのための空席ができると言われている。

まばゆいターコイズブルーに彩られた海の美しさといったら・・・・

この作品、おススメです。感動・・・

大岸弦