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ムーンライト・マイル
6月下旬、みゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
脚本をきっちり機能させる役者の演技が、絶妙
愛する人を失ったとき、人はどうやってそれを乗り越えていけばいいのか。悲痛なテーマだけに重いものを想像しがちだが、ここでは息詰まるような空気は長く続かない。婚約者を亡くした青年と、婚約者の両親。その微妙な関係、欠点丸出しなのに愛すべきキャラクターを見つめる視点には、ユーモアとやさしさがたっぷり。普通の人々の「心の機微」を豊かに感じさせてくれる佳作になっている。
とにかく脚本をきっちり機能させる役者の演技が、絶妙。特に、主役のジェイク・ギレンホール。彼が演じるのは他人の痛みを引き受け、それゆえに途方に暮れるキャラクター。トビー・マグワイアと顔も資質も似ているが、不器用な繊細さがハマって、複雑な心理が手に取るようにわかる! その演技をバックアップするのが、70年代ポップスの力。
そして婚約者の両親を演じるダスティン・ホフマン(「卒業」とあえて同じ名のベン役)と、スーザン・サランドン。特にサランドンの説得力、ギレンホールとの化学反応は素晴らしいのひとこと。わざとらしい弔問客の慰めにムカつく、辛辣で率直な役柄には、「真実」が満ち満ちている。普通なら鼻白むようなセリフもぴたりと決まり、惚れ惚れなのだ。
(若林ゆり)
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