ロバート・アルトマン

米ミズーリ州出身。高校時代、テープレコーダーを入手して音響の世界にのめりこむ。軍学校から空軍部隊に入り、戦後に退役して結婚。映画愛が高じて、ハリウッドで演技や作曲、脚本執筆などに挑戦するも芽が出ず、1950年、地元カンザスシティの映画製作会社に入社する。

長編監督第1作「The Delinquents」（57）の発表とともに製作会社を退社し、ハリウッドに舞い戻ってアルフレッド・ヒッチコックのTV番組の監督に就任。数々の番組監督を手がけた後、朝鮮戦争に赴く軍医たちの騒動を描いたブラックコメディ「M★A★S★H マッシュ」（70）でカンヌ国際映画祭の最高賞グランプリを受賞、同作はアメリカン・ニューシネマの金字塔となった。群像劇スタイルを得意とし、「ナッシュビル」（75）やカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した「ザ・プレイヤー」（92）、ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作「ショート・カッツ」（94）など数々の名作を残した。そのほかにも西部劇「ビッグ・アメリカン」（76）ではベルリン国際映画祭金熊賞を受賞しており、世界3大映画祭のすべてで最高賞を受賞している。

晩年の代表作にはゴールデングローブ賞最優秀監督賞を受賞した「ゴスフォード・パーク」（01）など。2006年11月20日、ガンによる合併症のため81歳で死去。「今宵、フィッツジェラルド劇場で」（06）が遺作となった。