パク・ソジュンがイ・ビョンホンから受けた刺激とは? 「コンクリート・ユートピア」インタビュー

2024年1月13日 09:00


「コンクリート・ユートピア」全国公開中
「コンクリート・ユートピア」全国公開中

パク・ソジュンが公開中の「コンクリート・ユートピア」についてインタビューに応じ、共演したイ・ビョンホンパク・ボヨンの印象、撮影の裏側を語った。

本作は、廃墟と化したソウルで唯一崩落しなかったマンションを舞台に、生存者たちの争いを描いたエンタテインメント大作。「隠された時間」のオム・テファ監督がメガホンをとり、第48回トロント国際映画祭で「『パラサイト 半地下の家族』に続く傑作」(Screen Daily)と高く評価された。

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地震により、一瞬で廃墟と化したソウル。唯一崩落しなかったマンションは、生存者で溢れかえり、無法地帯となっていた。危機を感じた住民たちは主導者を立て、居住者以外を追放し、住民のためのルールを作って“ユートピア”を築き上げることにする。住民代表となったのは、902号室のヨンタク。職業不明で冴えないその男は、権力者として君臨したことで次第に狂気を露わにする。

イ・ビョンホンがヨンタク役、パク・ソジュンがマンションの住人のミンソン役、パク・ボヨンがミンソンの妻のミョンファ役で共演した。

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――公務員だったミンソンは防犯隊長に任命されてから少しずつ性格が歪んでいくが、演じる上で意識したことは?

ミンソンというキャラクターは平凡な人間のように見えますが、映画の後半部分で感情が露になって変わっていくときに、やりすぎに見えてもいけないし、物足りないのもいけないと考えました。

映画全体をみた時に、ミンソンは極端な感情表現をしてはいけないと思ったので、その境界線を見つけることに一番心がけました。そのため、監督と話し合いながら感情の適切なラインを見つけようと努力し、監督のOKサインを信じて1シーン1シーン作っていきました。

――過酷な環境を生き抜く様子が描かれるが、公開後の今だからこそ話せる裏話は?

監督はミンソンが変化したあとの状況を大事にしていました。そのため、瞳孔が小さく見えるレンズをつけようかという意見も撮影前にあったそうです。結局、そのレンズをつけるのが難しかったので僕の演技を信じることにしたそうですが、実際にそのシーンで僕の瞳孔が小さくなっていたとおっしゃっていました。

当時は知らなかったのですが、後からその話を聞いてとても良いお褒めの言葉をいただいたようで、今でも気分がいいです。

――イ・ビョンホン扮するヨンタクが豹変し、本性を露わにする姿が印象的だが、一緒に演じた感想は?

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イ・ビョンホン)先輩と一緒に撮影をしながら、演技だけでなく現場でのエチケットを見て感じることがたくさんありました。

印象的だったのは、撮影中にモニターを見ていた時に、初めて見る先輩の顔があったことです。これだけ長い間演技をしてきた方なのに、まだ新しい顔があるなんて、それなら僕もこれから俳優人生を送る中で新しいものを作り続けることができるなと思いました。横で見ているだけで、本当に良い影響をたくさん受けました。

――パク・ボヨンと夫婦役を演じて、特に印象に残っているエピソードは?

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ボヨンさんとは最初の撮影から雰囲気が良かったです。お互いに何気ない話をしながら親しくなれる時間を十分に取って撮影をしましたし、小道具の撮影をした時も、同年代の普通のカップルが訪れるホットな場所でデートをしているかのように撮影をしたので、気兼ねなく親しくなれたと思います。

お互いの仕事を応援し共有しながら、平凡な日常を送る2人の時間そのものが心地よく感じられ、初めての共演作品にも関わらず息が合ったと思います。

――真冬が舞台だが、撮影は真夏に行われたとのこと。撮影時に大変だったことは?

暑さに耐えるのが大きな課題でした。真冬の廃墟となった街という設定なので、暖かいダウンジャケットを着なければならなかったのですが、本当に暑い夏でした。

でも、状況に合わせた演技をしなければならない仕事なので、現実を早く受け入れて、出来るだけ集中して撮影するように努力しました(笑)。

――一番好きなシーンは?

すべてのシーンに意味が込められていて良いのですが、日本の観客の皆さんにも少しは安心して観ていただけるシーンを挙げようと思います。

映画の冒頭でミョンファと2人きりになった時に「黄桃」を一緒に食べるシーンがあるのですが、完成した映画を観ながら、あの時に食べた「黄桃」は今後ミンソンとミョンファが二度と感じることができない甘さを象徴していたのではないかと思いました。今はそのシーンが思い出されますね。

――数多くの恋愛ドラマに出演し、“ラブコメの神”と称されているが、ハリウッドデビューも果たし、今後挑戦してみたい役は?

新しいジャンルや演じたことのない役により惹かれるような気がします。何かをやってみたいと決めているわけではないですが、自分が出来る新しい挑戦には常にオープンです。

――2024年の抱負は?

まずは僕たちの映画を日本の皆さんに愛してもらえたら嬉しいですし、2024年はファンの皆さんと会える時間をもちたいです。

昨年は撮影とプロモーションのスケジュールで余裕がなかったのですが、今年は必ず機会を作ってファンの皆さんと時間を過ごせたらと思います。

――この映画を通じてどんなメッセージを届けたい?

それぞれのキャラクターに焦点を当てて観ると、より面白く観れると思います。この作品には様々な人間模様が描かれていて、どのキャラクターに焦点を当てるかによって映画を見る観点や解釈が変わる映画です。

様々なテーマが盛り込まれているので、映画を観終わった後に「自分だったらどうしていたか?」と問いかけたり、色々な話をしたりすることが出来る映画だと思います。

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