【韓国版「愛していると言ってくれ」インタビュー】原作の名を汚さないような作品にしたいーチョン・ウソン×シン・ヒョンビンが語る

2023年12月12日 20:00


チョン・ウソンは、日本ドラマを気に入って、13年前に版権を自ら購入していた
チョン・ウソンは、日本ドラマを気に入って、13年前に版権を自ら購入していた

豊川悦司常盤貴子が共演した名作ラブストーリーを、韓国でリメイクする「愛していると言ってくれ」が、ディズニープラスの「スター」で独占配信中だ。耳が聞こえない画家と、夢を追う俳優が織りなす、音のない世界での恋を描く本作。主演を務めるチョン・ウソン(「私の頭の中の消しゴム」)と、シン・ヒョンビン(「賢い医師生活」)のインタビューが披露された。

1995年に放送され、社会現象を巻き起こした「愛していると言ってくれ」(脚本:北川悦吏子、制作:TBSテレビ)。役者志望の33歳のチョン・モウン(シン・ヒョンビン)は、撮影現場をたった1日で解雇されたことをきっかけに、聴覚障がいのある44歳のアーティスト、チャ・ジヌ(チョン・ウソン)と出会う。ふたりは互いにぶつかり合いながらも、手話やテキストを通して会話を続け、ゆっくりとつながりを強めていく。やがてジヌも、モウンに真の愛を感じるように。ジヌとの距離を縮めようとあらゆる努力をするモウンの前に、ジヌの元恋人、ソン・ソギョン(キム・ジヒョン)が現れる。

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――原作である日本版の「愛していると言ってくれ」はご覧になりましたか? 原作との違いや韓国版ならではの魅力を教えて下さい。

チョン・ウソン:もちろん見ました!

シン・ヒョンビン:(笑い声)

チョン・ウソン:日本の原作を拝見して、すごく気に入って、ドラマ化したいと思って、13年前に版権を自ら購入したんです。ただ、当時の状況としてドラマ化がなかなか厳しく、実現できませんでした。けれど、数年前にお声がかかり、版権も再度購入して、2023年の今年、ついにドラマ化することになりました。

13年前にドラマ化が叶って私が出演していたなら、原作の主人公の男女と、もう少し近い年代の設定になったと思うのですが、今回の韓国版「愛していると言ってくれ」は、私たちが主役を演じることによって、年代が上がったんですね。その分、考え方とか、悩み、恋との向き合い方が、原作とは若干変わったのではないかなと思います。

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シン・ヒョンビン:私は、この作品に出演を決めてから原作を拝見しました。作られてから、かなり経つドラマなので、原作とは随分変わった所も出てくるのではないかなと思いますが、原作のドラマが描こうとした本質――使う言語が違うふたりが誰よりも深くコミュニケーションをとる物語、そこが私に響くものがあったんです。日本の原作との違いは、チョン・ウソンさんがおっしゃったように、年代が上がることによって、ものすごく大人な、深い悩みというか、そういった部分が変わりましたね。もちろん、現代の韓国が舞台になるので、基本的な設定にも多少の変更はあると思います。ただ、両方の作品をご覧いただいた時に、違いを見つける面白みもあるんじゃないかなと思います。

チョン・ウソン:原作の舞台は、1990年代じゃないですか。時代ならではの小物に、私はロマンティシズムを感じていて、23年の韓国に置き換えることによって、カットせざるを得ない小物とかがすごくもったいないなと思ったんです。韓国では、特にIT化が進んでいて。原作のなかで諦めて1番もったいないな、と思ったのはFAXです。

シン・ヒョンビン:(同意をするように相づち)

チョン・ウソン:男女がやり取りする上で、FAXを使って、それで物語が動く場面が結構ありましたので、そこが惜しいなと思いました。

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――この作品への出演の決め手を教えて下さい。

チョン・ウソン:私は最初に日本の原作を拝見したとき、主人公の心の声がナレーションで流れていたのを聞いた瞬間、本当に鳥肌が立つような思いをしたのが決め手です。

シン・ヒョンビン:私は、コミュニケーションを描いた作品というのが決め手になりました。お互いに全てを分かり合えなくても、「ああ、この人は、こういう人なんだ」と見つめること自体が、すごく大切だと思っていたんですが、なかなかそれが難しいと思っていた時期に、この作品に巡り合いました。そういった物語に出たい、と思ったタイミングでこの作品に出合い、出演を決めました。

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――ジヌは、聴覚障がいを抱えており、コミュニケーションにさまざまな思いや複雑な葛藤があります。演じながら難しいと感じた点や、葛藤などはありましたか?

チョン・ウソン:そうですね……、やはり、今回手話を使うことになり、いままで私が駆使してきた言語とは全く違うわけです。ジヌは7歳以降、生涯ずっと手話を使うという設定です。ジヌというキャラクターが、手話を使ってコミュニケーションを取る労力と、俳優チョン・ウソンが手話を学んで特訓した労力は全く違うなかで、ジヌになりきって演じないといけない。そこを乗り越えるというか、種類の違う労力を表現する壁を乗り越えるのがなかなか大変でした。ギャップを埋めるために、私としては最善を尽くしたつもりですが、あとは本編をご覧になった皆さんに、どうだったかご判断していただければいいなと思います。

また、先ほどシン・ヒョンビンさんが話したように、この作品における1番大事なテーマは、コミュニケーションだと思います。けれど、音声言語を使う人同士のコミュニケーションも、「それがいつも正しいのか」「きちんと伝わるのか」は疑問なんですよ。1番難しいコミュニケーションは、やはり異性間のコミュニケーションだと思うんです。ジヌの身体的な特徴である、彼の耳が聞こえないというのは、私はこの作品においてコミュニケーションのメタファーじゃないかと思うんです。

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――最後に、日本の視聴者へのメッセージをお願いします。

シン・ヒョンビン:ちょうどとても寒くなる時期なので、この季節にぴったりのドラマだと思います。日本の視聴者のみなさんは、ほかの国の皆さんよりも、非常に興味を持ってこの作品を心待ちにしてくださっているのではないかなと思います。場所は韓国、時代は23年が舞台で、日本の原作とは違った感じの作品に仕上がっているかもしれませんが、皆さんにぜひお楽しみいただければと思います。

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チョン・ウソン:今回、日本の皆さんが非常に興味を持って待ってくださっているというのを、誰よりもわかっているつもりなんです。この作品の準備や撮影をしている間、ずっと思っていたのは、素晴らしい原作があるなかで、原作より面白い、面白くないは別として、原作のご迷惑にならないような、原作の名を汚さないような作品にしたいということです。みなさんがご覧になって、どのように評価されるのか、まだわからないですけれども、素晴らしい原作の名を汚さないリメイク作品として評価を頂けると嬉しいなと思います。

愛していると言ってくれ」は、ディズニープラスで第5話まで独占配信中(全16話/毎週月・火曜に1話ずつ配信)。

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