米脚本家組合、ストライキを承認

2023年4月21日 16:00


画像は西部全米脚本家組合の本部
画像は西部全米脚本家組合の本部

ハリウッドが再びストライキの危機に瀕しており、米脚本家組合(WGA)が強硬姿勢を示している。

2007年から08年にかけて、WGAは100日間のストライキを実施し、業界全体に多大な打撃を与えた。今回もWGAは強硬姿勢を示しており、映画会社、テレビ局、配信プラットフォームなどが所属する業界団体Alliance of Motion Picture and Television Producers(AMPTP)との労使交渉が難航している。

労使交渉の現状では、双方の要求に隔たりが大きく、現行契約が満了する5月1日までに話がまとまる可能性は低いとされている。そのため、WGAは幹部にストライキの承認を求める投票を実施。その結果、投票者の97.85%が賛成票を投じた。07年に投票を実施した際は、90%が賛成していたことから、今回はさらに結束が固いことが明らかになった。

WGAが対決姿勢を強固にしている背景には、従来のテレビ放送に合わせた労働協定が、デジタル配信全盛の現代において脚本家たちに不利益をもたらしている事情がある。動画配信の印税は現行契約ではテレビ放送よりも低く抑えられており、配信会社向けのオリジナル作品は他局で放送されず、再生回数などのデータが公表されないため、脚本家にとってブラックボックス化している。

一方で、メディア企業側も株価や加入者の低迷を受けてリストラやコスト削減を進めているため、労使交渉の行方が注目されている。ハリウッド業界にとって再びストライキが発生すれば、製作中の映画やテレビ番組に影響が出ることは避けられそうにない。

今後のWGAとAMPTPの交渉の行方が、ハリウッド業界全体の将来に大きな影響を与えることは間違いなさそうだ。

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