ワニに乗って移動、切り離された首を繋げて復活する部族たちと白人の侵略を描く 「そして光ありき」映像&場面写真

2023年1月25日 10:00


全員で日の入りを見るのが日課のディオラ族
全員で日の入りを見るのが日課のディオラ族

名匠オタール・イオセリアーニの劇場初公開作品を含む全監督作21本をデジタル・リマスター版で上映する、「オタール・イオセリアーニ映画祭 ジョージア、そしてパリ」で、上映される劇場初公開作「そして光ありき」の本編冒頭映像と場面写真、イオセリアーニ監督のコメントが公開された。

ジョージア(旧ソビエト連邦グルジア共和国)で生まれたイオセリアーニ監督は、映画製作を行うも上映禁止など制限を受け、故郷を離れパリへと移り住んだ経歴をもつ。カンヌ、ベネチア、ベルリンなどで数々の賞を受賞しており、日本でも「月曜日に乾杯!」や「皆さま、ごきげんよう」などのヒットで熱狂的なファンが多い。

ベネチア国際映画祭で審査員大賞を受賞した「そして光ありき」は、全編アフリカで撮影された異色作。このほど公開された冒頭映像は、アフリカのある部族の住む地域で木が伐採される様子、街で靴を磨き、雑誌を購入した男性が伐採した木を積み込んだ車に乗り込み、木々は船に乗せられ輸出されるシーンだ。場面写真はワニに乗って水上を移動する女性、部族の全員で日の入りを見る姿、さらには、首が取れた男性を元に戻す儀式というディオラ族の民話的生活が垣間見える3枚だ。

イオセリアーニ流の視点に貫かれた侵略の物語は、現代社会にも通ずる今こそ観るべき作品であり、監督は本作の演出方法に対し、「ディオラ族の礼儀や慣習に反することは絶対しなかった」と語っている。また、「例えば、息を吹きかけ嵐を起こすことや首を切り離された人間が元に戻ることなどは、どれもアフリカの民話に実際登場するので、奇妙なことははじめから何もない。彼らの生活を描くことで、強烈に明確な表現で観客との会話を可能にした。映画は会話(セリフ)がなくても伝わるものだ。私に言わせてみれば、映画の最後の手段であり、良い作品には会話なんて必要ないんだ」とも語っている。「オタール・イオセリアーニ映画祭」は2月17日からヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムで開催。

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