【鉄道開業150周年記念】特集「想い出の列車たち」未ソフト化の名作、幻の記録映画を放送

2022年10月8日 09:00


貴重作「ヨーロッパ特急」
貴重作「ヨーロッパ特急」

1872年の鉄道開通から150年を記念した特集企画「3ヶ月連続企画 鉄道開業150周年 想い出の列車たち」が、10月14日の「鉄道の日」より、日本映画専門チャンネル(BS255)で放送されることがわかった。

2022年は、記念すべき鉄道開業150年という節目の年。同企画では、歴史の中に生き続ける列車たちが登場する作品のを3カ月にわたって放送する。武田鉄矢が主演した未DVD化の貴重作「ヨーロッパ特急」、機関助士の1日をとらえたSLドキュメンタリー映画の傑作「ある機関助士」など、鉄道映画史に残る名作や見る機会の限られていた幻の記録映画など、充実のラインナップとなっている。

放送作品は、以下の通り。なお、放送スケジュールは、日本映画専門チャンネルの特集ページ(https://www.nihon-eiga.com/osusume/trains-of-memories/)で確認できる。


【10月放送作品】

●「ヨーロッパ特急」※未DVD化

ドイツ、オランダはじめ欧州6カ国を舞台にしたサスペンスタッチのラブストーリー。ヨーロッパ各国の列車の写真を撮りに来た日本人カメラマン(武田鉄矢)が、アムステルダムで美しい女性と知り合った。パリからベニスへ。TEE(ヨーロッパ国際特急)を乗り継ぎ、彼女のガイドで旅を続けるうちに、やがて二人は愛を感じはじめる。しかし彼女の行く手には、いつも正体の知れない男達が立ちはだかっていた。「禁じられた遊び」のルネ・クレマン監督、ソングライターのジョルジュ・ムスタキら国際的スターも顔を見せる。

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●「ある機関助士

ドキュメンタリー作家、土本典昭の実質的デビュー作で、疾走する蒸気機関のダイナミックさとかま焚きに従事する機関助士の姿を綴るSL映画の傑作。首都圏で最後まで残った蒸気機関の幹線・常磐線を舞台に、上野-水戸間をC62蒸気機関に牽引されて走る急行「みちのく」に乗務する機関助士の1日をつぶさに描き、1本の急行列車が安全に運転されるために彼らがいかに働いているかを熱く訴える。望遠レンズを用いて撮影された「みちのく」の運行シーンは力動感にあふれて素晴らしい出来映え。土本監督の労働者に対する愛情が全編ににじむ。

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●「七人の刑事 終着駅の女

1960年代の大ヒット刑事ドラマ「七人の刑事」映画版の1作。上野駅を舞台に、現実音も活かすドキュメンタリー的手法で当時の空気をとらえ、地方と都会の断絶を示唆する人間模様をリアルに映す秀作ミステリー。上野発東北行きのホームで女性が殺され、捜査本部は第一発見者の証言を基に消えた白い鞄の行方を追う。ホームに張り込む刑事の杉山(菅原謙二)と久保田(天田俊明)は、事件当夜にホーム付近で目撃された置き引き犯の事情聴取に向かう。

●「大いなる驀進

国鉄88周年を記念して製作された作品。国鉄全面協力を得た貴重な場面を盛り込む臨場感とともに、新藤兼人の脚本によるスリリングな群像劇が展開する。松崎(三國連太郎)が車掌を務める特急さくら号で給仕係として働く矢島(中村賀津雄)は、発車間際に密かに同乗した恋人・君枝(佐久間良子)の反対をよそに退職を考えていたが、相次ぐ列車内のトラブルや土砂崩れなどに同僚や乗客と対処する中、仕事への誇りを取り戻していく。

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●「昭和のSL映像館 第一部」「昭和のSL映像館 第二部」

日本各地で活躍したSLたちの雄姿を詰め込んだ鉄道番組。SLが日本各地で活躍していた頃の雄姿から引退するまでの映像をとらえたNHK番組を前後編にわたり放送。主要路線をはじめ明治のSL現役最後の姿や、廃線となった地方私鉄、個性的な森林鉄道といった貴重な映像が収められている。

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【11月放送作品】

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●「チンチン55号ぶっ飛ばせ!! 出発進行」※未ソフト化

コント55号が、ある女性をめぐり三角関係を織り成す人情コメディ。名匠・野村芳太郎の元に芸達者が集い、4人きょうだいの次女にふんした今陽子も歌を披露するなど、歌謡映画の要素も見どころ。北海道から上京した金一(萩本欽一)はフーテンに金を巻き上げられるが、4人の子持ちの女性に救われ、都電運転手の長男・次郎(坂上二郎)ら全員が都交通局勤務の一家の厄介に。都電乗務員の職を得た金一は、次郎の恋人・織江(奈美悦子)と親しくなり次郎をやきもきさせる。

●「真紅な動輪」※未ソフト化

一部を除き日本から姿を消した、幻のSLを追い求めるドキュメンタリー。数々の娯楽作などで手腕を発揮するも、2021年8月に逝去した小平裕監督が、半年近くに及ぶ中国ロケを敢行し、史料としても貴重な機関車の姿を記録した。昭和初期、中国東北地区に、当時の日本の鉄道技術を総動員させた超特急“あじあ号”が誕生。それを牽引する蒸気機関車“パシナ”は、世界最高のスピードを誇っていたが、激しく変化する戦況の煽りを受け、数奇な運命をたどることに。音楽は「CHAGE and ASKA」。

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●「国鉄のディーゼル化」※テレビ初放送

戦後の鉄道近代化は都市部では蒸気機関車(SL)から電車(新幹線)へと電化が推し進められたが、人口の少ないローカル路線は建設コストが安く運用し易いディーゼル化が採用された。旅客列車キハ17系、山間部はDF50 機関車が活躍した。ディーゼルカーのメリットや構造や修理、点検がわかりやすく説明されている。

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●「ぼくらの特急」

日本初の運転台を2階に上げた前面展望の車両名鉄7000系、愛称パノラマカーのPR映画。1961年当時の最新式の技術・機器を取り入れて工場で組み立てられるパノラマカー。完成試乗会に招待された子供達の目線で、パノラマカーの運転席、車内・車外の様子を紹介。また、行楽や通勤、買物の人々の明るい笑顔を乗せて豊橋-名古屋-新岐阜間を走る姿を、ラインパーク(日本モンキーパーク)をはじめ日本ラインや三河湾の風景を織り交ぜて描く。

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●「東京五人男」※未DVD化

しゃべくり漫才で一世を風靡したエンタツ・アチャコら当時のお笑いの名手たちが出演した人情コメディ。戦時中田舎の軍需工場で働いていた横山(横山エンタツ)ら5人は、終戦を機に東京へ帰ることに。昔の職場へ戻った彼らは、被災して荒んだ人々の心を和ませようと努力するが…。賄賂が横行する戦後社会へのコミカルな風刺が痛快。”喜劇の神様”斎藤寅次郎監督の戦後第1作で、アメリカへ渡った戦後初の日本映画。蒸気機関車の撮影を円谷英二が担当している。


【12月放送作品】

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●「喜劇 大安旅行

懐かしい国鉄紀勢線列車の車窓から高度経済成長期の昭和が活写される人情ラブコメディ。フランキー堺伴淳三郎倍賞千恵子が出演し、監督は「喜劇 “夫”売ります!!」の瀬川昌治、「夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース」の舟橋和郎がシナリオを執筆している。

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●「鉄道の記憶・萩原政男8mmフィルムアーカイヴス II ~あの町、この村、日本の鉄道風景~」※TV初放送

「鉄道ファン」初代編集長・萩原政男の8ミリフィルムが映し出すファン必見の鉄道映像集。

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●「駅」※※テレビ初放送

駅で働く人々を追いかけたドキュメンタリー映画。監督・脚本は藤久真彦、撮影は西尾清が担当。

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●「指導物語」※未DVD化

陸軍の若い機関士見習が、鉄道省の老機関士との交流を通じて成長する姿を描く物語。丸山定夫、藤田進原節子が出演し、熊谷久虎が監督を務めた。

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