【Netflix／海外シリーズ作品の新情報】「三体」映像化、「ウェンズデー」「ザ・クラウン」「エミリー、パリへ行く」など14作品

2022年9月27日 20:00

「3 Body Problem（原題）」「ウェンズデー」「ザ・クラウン」「エミリー、パリへ行く」「ウィッチャー」「ブリジャートン家」…シリーズ14作品を紹介

Netflixのグローバルファンイベント「TUDUM」（トゥドゥム）が9月24日～25日（日本時間）に開催された。24日にはアメリカ・ヨーロッパ発の作品を紹介する「TUDUM US/EMEA」が行われ、SF作家・劉慈欣氏のベストセラー小説「三体」を、大ヒットドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」スタッフが映像化する「3 Body Problem（原題）」、ティム・バートンが監督・製作総指揮を務める「ウェンズデー」など、注目シリーズの新映像がお披露目された。

イベント内では、主にシリーズ14作品の最新映像や情報が続々と紹介された。新たに制作される作品は、「3 Body Problem（原題）」「ウェンズデー」「The Recruit（原題）」「キッド・カディ：Entergalactic」「ザ・ウォッチャー」。新シーズンの配信が発表された既存作品は、「ザ・クラウン」（シーズン5）、「エミリー、パリへ行く」（シーズン3）、「ウィッチャー」（シーズン3）、「ブリジャートン家」（シーズン3）、「Lupin ルパン」（パート3）、「HEARTSTOPPER ハートストッパー」（シーズン2）。既存作品の前日譚やスピンオフとして、「ウィッチャー」の前日譚「ウィッチャー　血の起源」、「ブリジャートン家」の前日譚「Queen Charlotte: A Bridgerton Story（原題）」、「ペーパー・ハウス」のスピンオフ「Berlin（原題）」がラインナップされた。

▽新たに制作される作品

■1.「3 Body Problem（原題）」（2023年配信）

「ゲーム・オブ・スローンズ」スタッフが、劉慈欣氏によるベストセラー小説「三体」3部作をドラマ化。敵対的な異星人の艦隊が地球を侵攻するという、史上最も深刻な脅威に直面した人類の姿を描く。文化大革命時代の中国で、若い女性イェ・ウェンジエは復讐に燃え、人類の未来を自らの手で切り拓こうとする。そして現代、異星人艦隊の侵略を受けた社会は恐怖に陥る。服従を迫られた人類は、果たして不可能を可能にすることができるのか。ジョバン・アデポ、ジョン・ブラッドリー、ツァイ・チン、リーアム・カニンガム、エイザ・ゴンザレスが共演する。

特別映像では、壮大なSF叙事詩を作り上げるメイキング映像とともに、制作総指揮を務めるD・B・ワイス、デビッド・ベニオフ、アレクサンダー・ウーら制作陣と俳優陣が、“原作愛”や“圧倒的規模感”を解説。制作陣は「シーズン1の撮影を終えたばかりで、これから編集作業を進めていきます」「宇宙人との最初の交信から破滅へと向かう世界を描いた作品です」「劉慈欣の原作は非常に野心的な物語で、その壮大な視野に畏敬の念を覚えました」と明かす。

続いて、11カ国から集められた俳優陣たちが、見どころを語っていく。「原作を読んだ人は映像の再現度に驚くはず。映像に圧倒されます」（ジェス・ホン）、「今作の映画化に関わった人たちは原作に多大な敬意を払っている」（カニンガム）、「これまでのドラマのなかでも最も野心的で複雑な作品になると思う」（ブラッドリー）と太鼓判を押す。最後にワイスが、「この壮大な宇宙の物語を映像化できることに興奮しています」と締めくくった。

■2.「ウェンズデー」（11月23日配信）

コミックから派生し、映画・アニメ・ドラマ・ミュージカルなどさまざまな形で親しまれてきたホラーコメディ「アダムス・ファミリー」に登場する長女ウェンズデーを主人公に迎えた物語。「アダムス・ファミリー」では、不幸なことや邪悪なこと、忌まわしい物や不気味な物が大好きなお化け一家が繰り広げる騒動が描かれた。ウェンズデーは、原作では不幸そうな顔つきで無口、しかし口を開くとブラックな一言を発する強烈なキャラクターだ。本作では、学生生活に奮闘する十代の彼女が、自身の一族にまつわる超常現象や殺人事件に巻き込まれていく推理ミステリーを紡ぐ。

「シザーハンズ」「チャーリーとチョコレート工場」などで知られるティム・バートンが監督・製作総指揮を務める。ジェナ・オルテガがウェンズデーを演じるほか、映画「アダムス・ファミリー（1991）」で同役を務めたクリスティーナ・リッチ、キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ、ルイス・ガスマン、グウェンドリン・クリスティーらが共演。本編映像では、ウェンズデーのかわいらしくも恐ろしい性格が垣間見える。強すぎる眼力を放つ彼女の視線の先には、手首だけの存在“ハンド”が。親に送り込まれスパイ活動をしていたハンドをあっさり捕まえ、「指を折るわよ」「あなたは徐々に正気を失い、ご自慢の肌や爪を傷つけ始める」と容赦なく脅す。最後には、観念したハンドに永遠の忠誠を誓わせ、“10代の地獄からの脱出”を図ろうとする。

■3.「The Recruit（原題）」（12月16日配信）

「好きだった君へのラブレター」でブレイクしたノア・センティネオが俳優・プロデューサーとして新たな顔を見せる、CIAを舞台にしたスパイスリラー。元諜報員が自身の重罪容疑を晴らすことができなければ、CIAとの長年の関係を暴露すると脅迫された事件をきっかけに、危険な国際権力闘争に巻き込まれていくCIAの新米弁護士の姿を描く。

■4.「キッド・カディ：Entergalactic」（9月30日配信）

ラッパーのスコット・メスカディ（キッド・カディ）とケニヤ・バリスが、コンセプトアルバム「Entergalactic」に基づいて制作するアンソロジーアニメーション。アート、音楽、ファッションが花を咲かせ共存する唯一の街・ニューヨークで、紆余曲折しながら愛を見つける、ふたりの若きアーティストの物語を紡ぐ。アーティストのジャバリ（CV：メスカディ）は、夢のアパートに引っ越してきた。そこで出会った隣人は、写真家のメドゥ（CV：ジェシカ・ウィリアムズ）。アーティストとして成功をおさめたジャバリは、愛にも一歩近づいていく。

■5.「ザ・ウォッチャー」（10月13日配信）

「アメリカン・ホラー・ストーリー」の制作陣による、米ニュージャージーにある悪名高き“ウォッチャー”ハウスの実話に基づくホラー。郊外に夢のマイホームを手に入れたはずのブランノック家の生活は、たちまち生き地獄と化す。“ウォッチャー”と名乗る人物から届く不吉な手紙を皮切りに、近隣にまつわる恐ろしい秘密が次々と暴かれていく。制作にも名を連ねるナオミ・ワッツをはじめ、ボビー・カナベイル、ジェニファー・クーリッジらが共演した。予告編では、家を見張る“ウォッチャー”から届く、悪夢のような手紙が導く恐怖が切り取られている。

▽新シーズンの配信が発表された既存作品

■6.「ザ・クラウン」（シーズン5／11月9日配信）

若くして即位したエリザベス2世が、政治情勢や家族をめぐる問題に向き合いながら、苦悩と葛藤のなかで国を治める姿を、史実に基づきドラマ化。「クィーン」「フロスト×ニクソン」のピーター・モーガンが脚本を手がけた。エミー賞とゴールデングローブ賞でドラマ部門作品賞を獲得し、オリビア・コールマン、クレア・フォイ、ジョン・リスゴーらがエミー賞を受賞した。

シーズン5では、王室が過去最大の難題に直面。その難題とは、1990年代のイギリスにおける自分たちの存在意義を証明すること。ダイアナ妃とチャールズ皇太子がメディア戦争を繰り広げるなか、王室の基盤に亀裂が入り始める。イメルダ・スタウントンがエリザベス女王を演じるほか、ジョナサン・プライスがフィリップ殿下、ドミニク・ウェストがチャールズ皇太子、エリザベス・デビッキがダイアナ妃に扮する。

■7.「エミリー、パリへ行く」（シーズン3／12月21日配信）

「Mank マンク」のリリー・コリンズが主演・製作を担い、パリで働くことになった女性の仕事と恋を描くコメディ。物語の主人公は、シカゴでマーケティング担当として仕事に励むエミリー。彼女が働く会社が、フランスの高級ブランドマーケティング企業を買収したことで、エミリーは思いがけずパリで念願のポジションに就き、SNS戦略の刷新を任されることに。彼女のパリでの新生活は、わくわくするような経験や驚くべき挑戦の連続だった。

シーズン2では、エミリーは新生活になじんできた一方で、フランスならではの文化といまだに格闘中。同じアパートの住人と、初めてできたフランス人の友人との三角関係に陥った彼女は、仕事に集中しようと決意するが、日を追うごとに複雑な事態に。フランス語の授業では、エミリーの怒りと好奇心を刺激する、同じ外国人の生徒と知り合う。イベントで初披露されたシーズン3のティザー予告編では、エミリーから「これまでの人生で一番難しい決断よ」というセリフが飛び出し、波乱の展開を予感させる。シーズン2はNetflixグローバルTOP10入りを果たし、世界94カ国で1位となり、配信初週末の視聴時間は1億760万時間を記録。シーズン3に続き、シーズン4の製作も決定している。

■8.「ウィッチャー」（シーズン3／23年夏）

「エノーラ・ホームズの事件簿」シリーズでもおなじみのヘンリー・カビルが主演を務め、アンドレイ・サプコフスキのベストセラー小説を映像化した、怪物や魔術が登場する壮大なファンタジー。超人的な力を秘めたリヴィア出身で変異体（ミュータント）である“ウィッチャー”のゲラルト（カビル）は、怪物退治を請け負う凄腕のハンター。怪物以上に邪悪な人間たちが殺し合う世を旅しながら、己の居場所を求めて戦い続けている。やがて彼は数奇な運命に導かれ、生きる目的を見直し、並外れた能力を持つふたりの女性との宿命的な絆を深めていく。

シーズン2では、大陸の制覇をめぐる争いがし烈を極めるなか、自らの宿命を受け入れるゲラルトが、偉大な謎の力を内に宿すシリ（フレイヤ・アーラン）を守るため、壮絶な戦いに身を投じた。シーズン3では、大陸の君主たち、魔法使い、魔物たちが、我先にシリを捕らえようとするなか、ゲラルトは彼女を連れて身を隠す。シリに魔術を指導するよう依頼されたイェネファー（アーニャ・シャロトラ）は、シリの未知の力を探るため、ふたりを安全なアレツザの魔法学校へと連れて行くが、そこでは新たな戦いが待ち受けていた。おなじみのキャストが続投するほか、新たにロビー・アメル、メンガー・チャン、ヒュー・スキナー、クリステル・エルウィンらが参戦する。

■9.「ブリジャートン家」（シーズン3／23年）

ジュリア・クインのベストセラー小説を原作に、摂政時代の英ロンドン、華やかだが競争も激しい上流階級の官能的で甘美な世界を舞台にしたドラマ。複雑なルールとドラマティックな権力闘争に満ちた、魅惑的で豪奢な世界の内情が描かれる。物語の中心となるのは、社交界で強い力を持つブリジャートン家。固い絆で結ばれ、愉快かつウィットに富んだ、大胆不敵で聡明な8人の兄弟姉妹たちは、1万人の上流階級で構成される結婚市場を生き抜いていく。

シーズン3では、前シーズンでコリン・ブリジャートン（ルーク・ニュートン）からひどい言葉をかけられたペネロペ・フェザリントン（ニコラ・コークラン）が、ついに彼への長年の恋を諦める。母や姉と離れ結婚を決める時が来たと考えるペネロペは、結婚パーティに参加するも失敗。一方コリンは、いつもありのままの自分を認めてくれていたペネロペに冷たくあしらわれ、意気消沈。友情を取り戻したいコリンは、彼女の夫探しを手助けすることを申し出る。しかし指導はうまくいかず、ペネロペに対する気持ちが本当に友情だけなのか向き合うことに……。そんななか、ペネロペとエロイーズ（クローディア・ジェシー）との関係に亀裂が入り、エロイーズは思いがけないところで新しい友だちを見つける。

シーズン1は28日間で6億2549万時間、シーズン2は6億5626万時間視聴され、当時の英語シリーズ歴代TOP10で1位を獲得し、93カ国でTOP10入り。同じシリーズ作品が歴代TOP10の1位、2位を独占するという初の快挙を達成した。シーズン3に続き、シーズン4の製作も決定している。

■10.「Lupin ルパン」（パート3／配信日未発表）

モーリス・ルブランによる小説「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」に着想を得て、「最強のふたり」のオマール・シーが、富豪や権力者を出し抜く怪盗を演じるミステリードラマ。魅力溢れる詐欺師にして、複数の名を操る変装名人アサンは、父を陥れた裕福な一家への報復に乗り出し、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンのごとく、スマートに計画を実行していく。波乱含みの恋愛に苦心しながらも、大切な人たちを守るために奮闘する。

ルイ・ルテリエ（「グランド・イリュージョン」）が監督を務めたパート1は、28日間で7200万世帯が視聴し、初めてアメリカのTOP10首位を獲得したフランス発の作品となった。本作をきっかけにフランス語圏では、ルブランの書籍の発行部数が14万部を記録するなど、社会現象に。パート2では、ルドビク・バーナード（「パリに見出されたピアニスト」）、ユーゴ・ジェラン（「あしたは最高のはじまり」）が監督を務めた。

パート3では、身を隠したアサンが、妻と息子に会えない日々を経て、ある大胆な思いを胸に、パリに戻ることを決心する。それは、家族でフランスを離れ、新天地で生活すること。しかし、過去から逃れることはできず、突然のパリへの帰還は、アサンの思い描く計画をあらぬ方向へと導く。ティザー予告編では、アサンに迫る包囲網が、緊張感たっぷりに映し出されている。

■11.「HEARTSTOPPER ハートストッパー」（シーズン2／配信日未発表）

アリス・オズマンのグラフィックノベルを原作に、10代の若者たちの友情と青春の恋を描いた、心温まるイギリス発のLGBTQ＋ヒューマンドラマ。優しいチャーリー（ジョー・ロック）とラグビー好きのニック（キット・コナー）は高校で出会って親しくなり、やがて互いに恋心を抱くように。ふたりを取り巻く友人たちが直面するのは、自己発見と受容を巡る経験したことのない感性の旅。彼らは本当の自分を追い求めながら、互いに支え合う。シーズン１は、世界54カ国でTOP10入りを果たした。

シーズン2には、おなじみのキャストに加え、レイラ・カーン、ジャック・バートン、ブラッドリー・リッチズ、ニマ・テルガニらが参戦。ストーリーの詳細は明かされておらず、続報に期待が高まる。

▽既存作品の前日譚やスピンオフ

■12.「ウィッチャー　血の起源」（12月配信）

「ウィッチャー」の前日譚で、全6話のリミテッドシリーズ。「ウィッチャー」からさかのぼること1200年、エルフたちの世界を舞台に、時とともに失われた、知られざる物語が明かされる。中心となるのは、全てを奪い去った不滅の力を前に結束し、立ち向かう7人のはみ出し者たち。彼らの血をたどる冒険は、やがてモンスター、人間、エルフの世界がひとつになる“天体の合”を導く争いと、ウィッチャーの誕生を招く。ソフィア・ブラウン、ローレンス・オファラン、ミシェル・ヨーらが出演する。

■13.「Queen Charlotte: A Bridgerton Story（原題）」

「ブリジャートン家」の前日譚で、シャーロット王妃の半生に基づくリミテッドシリーズ。名声と権力を手にしていく若きシャーロット王妃の台頭と恋愛を中心に、「ブリジャートン家」に登場する。ヴァイオレット・ブリジャートンやレディ・ダンベリーにもスポットを当てた物語が展開する。ジョージ三世と結婚した若きシャーロットはどのように深い愛を育んだのか、上流社会が形成されるきっかけとなった社会的変化がどのように生まれ、「ブリジャートン家」のキャラクターたちに引き継がれていったのかが語られる。

ゴルダ・ローシュベル（シャーロット王妃役）、アッジョア・アンドー（レディ・アガサ・ダンベリー役）、ルース・ジェメル（ヴァイオレット・ブリジャートン役）が、「ブリジャートン家」で演じている役で続投。インディア・リア・アマルテイフィオが若き日のシャーロット王妃を演じるほか、ミシェル・フェアリー（オーガスタ王太后役）、コリー・ミルクリースト（若き日のジョージ三世役）、アーセマ・トーマス（若き日のアガサ・ダンベリー役）も共演する。本編映像では、シャーロットとジョージが出会う、ロマンスの始まりが切り取られている。

■14.「Berlin（原題）」（配信日未発表）

スペインの犯罪ドラマ「ペーパー・ハウス」のスピンオフ。本シリーズのパート1では、スペインの王立造幣局と国立銀行をターゲットにした大胆極まりない強盗劇が描かれ、国際エミー賞とフェニックス賞の最優秀ドラマシリーズ賞など数多くの賞を獲得した。21年12月に、パート5をもってシリーズ完結。韓国版の「ペーパー・ハウス・コリア：統一通貨を奪え」も配信されている。

本作の主人公は、ペドロ・アロンソ演じた狂気の男ベルリンことアンドレ・デ・フォノリョサ。ベルリンは、王立造幣局内で決行された最初の強盗のリーダーであり、経験豊富な盗みのエキスパートだ。時に怪しい行動をとるため、仲間（特にトーキョーやナイロビ）から反感を買うことも。傲慢でナルシストで危険なベルリンは、そのカリスマ性でファンを魅了した。

最初の強盗が決行されたとき、すでに余命2年足らずという末期的な病気を抱えていた彼は、パート2のラストで仲間を助けるために犠牲となり、軍の銃撃を受けて命を落とす。パート3とパート4では、パート1よりも以前の出来事を描くフラッシュバックのシーンに登場し、親友のパレルモとともにスペイン銀行を狙った強盗計画にも関与していたことが明かされ、タティアナとの結婚についても描かれた。ストーリーの詳細はベールに包まれており、続報に期待が高まる。