奈緒が荒くれ漁師たちを束ねるボスに!? 「ファーストペンギン!」で民放GP帯連続ドラマ初主演

2022年7月27日 05:00


縁もゆかりもない“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザー役に挑戦
縁もゆかりもない“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザー役に挑戦

奈緒が、日本テレビ系の10月期新水曜ドラマ「ファーストペンギン!」で民放GP帯連続ドラマ初主演を飾ることがわかった。向田邦子賞、橋田賞、日本アカデミー賞優秀脚本賞などを受賞し、「仁 -JIN -」「義母と娘のブルース」といった人気ドラマを手掛けたヒットメーカー・森下佳子が脚本を担当する。

ペンギンは元来臆病な動物であり、多くの敵が潜む海になかなか飛び込むことができない。しかし、勇気ある一羽が飛び込むと、仲間たちも次々と荒海へ飛び出す。その「勇気ある一羽目」をファーストペンギンと呼ぶ。本作は、そんなファーストペンギンのように、縁もゆかりもない“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザーと、彼女と共に改革の荒波に漕ぎだした漁師たちの“奇跡の実話”をモデルにしている。

家なし、金なし、仕事なし。人生崖っぷちの若きシングルマザー・岩崎和佳(奈緒)は、ひょんなことから1人の漁師に出会い、「1万円で、俺たちの浜を立て直してくれ!」という思いがけないオファーを受ける。荒くれ漁師たちのボスになった和佳。ガンコな海の男たちとぶつかり合いながらも、ド素人ゆえの大胆さで、古い常識や慣習を次々と打ち破り、しがらみだらけの業界で大革命を巻き起こす。

坪内知佳さん
坪内知佳さん

“奇跡の実話”の始まりは、2009年12月。ヒロインのモデルとなった坪内知佳さんは、当時23歳。2歳の息子を育てるシングルマザーだった。大学中退後、山口県萩市に移り住み、翻訳の仕事や旅館の仲居業を務めながら、何とか生計を立てていた。そんなある日、1人の漁師との出会いを機に、全く知見のなかった“漁業の世界”に飛び込むことになる。「アジとサバの違いも分からない」素人が飛び込んだ“漁業”の世界。しかし、素人ゆえの大胆な発想で「既成概念」を打ち崩していく。坪内が発案したのは、漁師たちが獲った魚を、市場を通さず、直接料理店などに販売するシステム。これは、生産者自らが「生産・加工・販売」を一貫して行う「漁業6次産業化」として、国に認定される。

やがて彼女は、60人もの漁師たちを束ねて「萩大島船団丸」を設立し、代表に就任。朝採れした水産物を箱詰めして、都会の消費地へ直送する鮮魚ボックス事業をスタートするも、当初はなかなかうまくいかなかった。販路拡大のため、全国各地の飲食店を渡り歩き、連日飛び込み営業に奔走する坪内さん。一方、「魚を獲ること」しかしてこなかった漁師たちは、慣れない出荷作業や事務仕事に悪戦苦闘。ストレスから、「こんなこと、やってられるか!」と坪内と取っ組み合いの喧嘩になることもあった。こうして、数々のトラブルやぶつかり合いを乗り越えながら、2014年、株式会社として法人化。坪内さんと漁師たちの奮闘記は「news zero」「news every.」をはじめとする数多くのメディアでも取り上げられ、大きな話題となっている。

奈緒は、本作への出演について「主人公の和佳さんの“何事も諦めない、ヒーローみたいにタフなところ”に、いつか自分がなりたいと思っていた姿が重なって、是非、和佳さんを演じさせていただきたいと思いました」とコメント。また、日本テレビの水曜ドラマ枠を担当するのは20年ぶりとなる脚本の森下は「実話のもつ力=坪内さんご自身の魅力と、それをきめ細やかに力強く表現してくださるに違いない奈緒さんのお芝居の力、この2つの確かな力を信じて、パワフルで見応えのあるドラマにしていきたいと思っています」と語っている。

奈緒、森下、プロデューサー・森雅弘のコメント全文は、以下の通り。

奈緒

――「民放GP帯連ドラ初主演」という事でオファーを受けた時のお気持ちと、企画書を読んでの感想は?

私自身、「民放GP帯の連続ドラマの主演」という新しい挑戦に飛び込むことになるので、ドキドキとワクワクとほんの少しの不安が入り交じった状態で企画書を読ませていただいたんですが、主人公の和佳さんの、“何事も諦めない、ヒーローみたいにタフなところ”にいつか自分がなりたいと思っていた姿が重なって、是非、和佳さんを演じさせていただきたいと思いました。

――本作の脚本を森下佳子さんが担当されることについての感想は?

今回、森下さんと初めてご一緒させていただきます。森下さんのお書きになっているドラマは拝見していましたし、個人的にもとても好きだなと思っていたので、ご一緒できること自体とても光栄です。森下さんによってどんな言葉やセリフが紡ぎ出されるのか、私自身台本を受け取るのがすごく幸せだなぁと今から思っています。また森下さんが手がけられる久しぶりの日本テレビのドラマで、自分が初めて主演を務めさせていただくことになるので、新しく“化学反応”が起きるような挑戦ができたらいいなと強く感じています。

――岩崎和佳という主人公について、どう思いましたか?

和佳(のどか)という名前なのですが、まさに“のどか”な町に現れた、嵐のような人だなと思いました(笑)。猪突猛進で周りを巻き込んでいくような、ガッツのある、強くてカッコいい女性だなと思います。また、そんな和佳さんの過去には、すごく傷ついた出来事もあり、人の弱さを知っているからこそ、優しく強くなれるところがあって、そういった面が魅力的です。何よりも「皆が幸せになってほしい」という願いを持っている、人が喜ぶことを自分の力に変えていけるところが、とてもカッコいいなと思います。

――今回の役作りにおいて、参考にしようと思っていることはありますか?また、これまでの作品と比べて大変だと感じる部分はありますか?

今までは、どちらかというと、波に流されゆったりと生きてきたタイプの役をいただくことが多かったと思います。今回の和佳さんは、まさに“大きな波を起こす人”なので、そこは自分の中で、また一つ、新しいギアを手に入れて演じなきゃいけないところはあるかなと感じています。また、主人公のモデルとなった坪内知佳さんとお話をしたり、メールでやり取りをさせていただく中で、私自身が感じた、坪内さんの「素敵だなぁ」と思うところや、漁師の皆さんの気持ちを大切にできたらいいなと思います。

――和佳はド素人ゆえの大胆さで漁業の世界に飛び込んでいきますが、奈緒さんは、いま何か挑戦したい(始めたい)ものなどはありますか?

釣りが結構好きで、これまでお仕事で地方に行った時に、スタッフさんと一緒に釣りへ行くことはあったんですけど、魚をさばいたことがなかったんです。今回のドラマをきっかけに、自分で釣った魚を自分でさばいて、食べるところまで挑戦してみたいなと思います。

――最後に、この作品を楽しみにしている視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

皆さんも普段、お魚を食べていると思うんですが、その一匹のお魚の背景には、愛をもって、時に汗を流しながら、様々な困難に立ち向かった人たちがいるということを、この作品でお届けできたらいいなと思っています。ぜひ、「ファーストペンギン」のような主人公を、ハラハラドキドキと見守っていただけたら嬉しいです。

森下佳子(脚本)】

実は私、日テレさんからお声がけをいただく前に、坪内さんがご出演になった某バラエティーを見て、大笑いをしておりました。もう単純に面白かったから。ところが、脚本執筆に向けてお勉強しだすとまぁ、知らないことだらけで青くなるばかり。日本の漁獲量の低下、漁師さんの減少、世界的な食糧危機の予測もある。今ここで変わらなければ、気軽に刺身もお寿司も食べられなくなる、私たちには超アンウェルカムな未来が待っているかもしれない……。坪内さんたちのビジネスは結局はそこをどうしていくかにもつながっていくのだと理解したとき、私はかなり大事なお話を伝える役割を預かったのだ、と、やっとこさ気がついたのでした。

ことほど左様に、私自身はどうにも頼りない有様ですが、実話のもつ力=坪内さんご自身の魅力と、それをきめ細やかに力強く表現してくださるに違いない奈緒さんのお芝居の力、この2つの確かな力を信じて、パワフルで見応えのあるドラマにしていきたいと思っています。

ですので、どうか皆様。お寿司を愛する皆様、お寿司を愛する方を愛する皆様、次世代に気軽にお寿司を食べさせたいと願う皆様、お忙しいとは思いますが、どうかお時間を少しばかりいただければと存じます。皆様に現状を知っていただければ、未来はきっと良い方向に変わるはずだから。

森雅弘(日本テレビ コンテンツ制作局プロデューサー)】

古い仲間から「こんな実話があるんだがドラマにできるかな」と相談を受けてから四年。森下佳子さんが、このストーリーに取り組んでいただける事になった時、「ファーストペンギン」は羽ばたく決意をしました!主演は民放GP帯連ドラ初主演となる奈緒さん。その実力も勿論、坪内さんにも通じる新しい時代の存在感が、ドラマをより希望に満ちたものにしてくれると確信しています。実話をベースに虚実まじえつつオリジナルな、新しい「サクセスストーリー」をお届けするべく邁進します!

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