「シャイニング」「ブレードランナー」の名脇役ジョー・ターケルさん死去
2022年7月4日 21:00
スタンリー・キューブリック監督の傑作ホラー「シャイニング」やSF映画の金字塔「ブレードランナー」をはじめ、100本を超える映画・テレビドラマへの出演を誇るベテラン俳優のジョー・ターケルさんが6月27日(現地時間)、米カリフォルニア州サンタモニカのセント・ジョンズ病院で亡くなっていたことがわかった。94歳だった。米バラエティなどが報じている。
1927年、米ニューヨーク州ブルックリン生まれ。17歳で米陸軍に入隊し、第二次世界大戦中は欧州戦線で服務した。終戦後、俳優になる夢を追うべくカリフォルニアに移り住み、1948年に「City Across the River(原題)」で映画デビュー。以降40年間にわたり、「ギャングの肖像」「キング・ラット」「砲艦サンパブロ」「聖バレンタインの虐殺 マシンガン・シティ」など数々の秀作に出演。キューブリック監督とは、同監督の長編デビュー作である「現金に体を張れ」(56)、「突撃」(57)、「シャイニング」(80)と3作品でタッグを組んでおり、中でも「シャイニング」では、舞台となるホテルのバーでジャック・ニコルソン演じる主人公の前に度々現れるバーテンダー役で強烈な印象を残した。また、リドリー・スコット監督による傑作SF映画「ブレードランナー」(82)でも、レプリカントの生みの親であるエキセントリックな科学者エルドン・タイレル博士役で印象的な演技を披露している。
映画俳優として活躍するかたわら、「ローン・レンジャー」「アンタッチャブル」「ボナンザ」「特捜刑事マイアミ・バイス」などの人気テレビドラマにも多数出演。98年、米ABCの人気ドラマシリーズ「ボーイ・ミーツ・ワールド」(1993~2000)へのゲスト出演をもって、事実上俳優業から引退した。
代理人によれば、ターケルさんは亡くなる直前に「The Misery of Success(原題)」と題した回顧録を書き終えており、今年後半に遺族が出版を予定しているという。