藤井道人監督、不治の病を抱えた少女を描くベストセラー小説「余命10年」を映画化 脚本は岡田惠和&渡邉真子
2021年8月19日 10:00
累計発行部数50万部を突破したベストセラー小説「余命10年」が映画化されることが決定し、第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した「新聞記者」や「ヤクザと家族 The Family」の藤井道人監督がメガホンをとることがわかった。「8年越しの花嫁 奇跡の実話」「雪の華」の岡田惠和と、「凜 りん」の渡邉真子が脚本を手がけ、数万人にひとりという不治の病で、余命が10年であることを知った少女の物語を紡ぐ。
原作は、第6回静岡書店大賞の「映像化したい文庫部門」の大賞を受賞。文庫化と同時に、作者の小坂流加氏が難病を抱えていたこと、そして病状が悪化し、文庫版発行直前の2017 年2月に逝去したことが明らかになっていた。
物語の主人公は、余命が10年であると知った20歳の茉莉(まつり)。彼女は生きることに執着しないよう、決して恋だけはしないと心に決めていた。しかし、地元の同窓会で和人と出会い、茉莉の10年は大きく変化していく。
藤井監督は、「初めて『余命10年』を読んだとき、原作の小坂流加さんが生前に抱いていた『生きる』ということへの思いで溢れた小説だと思いました。普段見落としがちな四季折々の自然の変化や、主人公・茉莉と和人が過ごした日々は、まるで小坂さんが生きている時に思い描いていた『夢』だったようにも感じました。僕は、この作品を直感的に映画として残したいと強く思いました」と心情を吐露。「当たり前が当たり前ではなくなったこの世の中で、小坂さんが残してくれた『余命10年』という作品が、皆さまの明日を生きる糧となるように、信頼するキャスト・スタッフと約一年に渡り四季を撮り続け、この映画に向き合って来ました。公開を楽しみに待っていていただけると幸いです」とメッセージを託した。
「余命10年」は、22年に公開される。なお本作の公開に先立ち、今夏にはコミック版の配信も決定。原作小説をベースに、LINE マンガで連載がスタートする。映画版の関口大輔プロデューサーのコメントは、以下の通り。
【関口大輔プロデューサー】
小坂流加さんが「余命10年」に込められた思いをきちんと映像化して世の中に届けたいと思い、映画化を決心しました。ただしこの原作を映像化するには多くの高い才能を集め、緻密な脚本を練り上げ、他の映画にはない「余命10年」ならではの映像を作らないといけない、というプレッシャーも感じました。そのうえで、この原作をしっかりと受け止め、演出できる監督として他の邦画にはないセンスと高い演出力を持つ藤井道人さんにお願いしました。