クロエ・グレース・モレッツが明かす「トムとジェリー」への愛 実写版は「最高にも、最悪にもなり得た」

2021年3月20日 11:00


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1940年に誕生し、2020年に80周年を迎えたアニメーションシリーズの実写映画「トムとジェリー」が公開された。主演したのは、オリジナルアニメの大ファンというクロエ・グレース・モレッツ。「東京にいるなんてうらやましい! 日本がすごく恋しい」とはじける笑顔でオンラインインタビューに応じ、「最高なものになる可能性も、最悪になってしまう可能性も秘めていた」という今作の製作秘話を語った。(取材・文/編集部)

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トムとジェリー」は、多才だけれどお調子者でドジなトムと、外見はかわいいが実はずる賢くて容赦ないジェリーの追いかけっこを描いた人気シリーズ。実写映画版では米ニューヨークの一流ホテルを舞台に、トムとジェリーが大騒ぎを起こすさまを描いた。

世界中が注目するセレブカップルのウエディングパーティの準備に追われるホテルにある日、いたずら好きのジェリーが引っ越してきて、従業員たちは大騒ぎ。新人スタッフのケイラ(モレッツ)は、“ネズミ対策”としてトムを雇うが、トムとジェリーがある陰謀に巻きこまれたことでパーティを台無しにしてしまう。その失態でクビになったケイラを助けるため、そして新郎新婦のため、これまで命がけのケンカをしてきたふたりがタッグを組むことになる。


――伝説的なアニメシリーズの実写映画化に参加していかがでしたか?

脚本を読む前の段階では、複雑な心境でした。オリジナルアニメが大好きなので、私のオリジナルアニメへの愛を表現していて欲しかったんです。結果的に、脚本はとても素晴らしくて、オリジナルアニメを忠実に再現し、尊重しているところに驚かされました。オリジナルアニメを素晴らしい形で実写映画化できるこのチャンスを逃す手はないと思いましたね。

――子どもの頃に「トムとジェリー」をよく見ていたのでしょうか?

ええ、2歳の頃からテレビで見ていました。そんなに幼い子どもが「トムとジェリー」を好きになれたのは、この作品がノンバーバル(非言語的)なコミュニケーションをとっていたからだと思います。誰が何を言っているのかわからない赤ちゃんの頃に、この番組を見て想像力を膨らませていたのです。物語として何が起こっているのかを理解する必要はなく、彼らがスクリーンを駆け抜けるのを見たり、音楽や効果音を聞いたり。ただ彼らの行動が面白くて、想像力を自由に働かせることができました。

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――トムとジェリーにはそれぞれの魅力がありますが、お気に入りのキャラクターはどちらですか?

うーん……トムですね! もちろんジェリーも大好きですが、トムはたまらなくキュートで、おバカさんで、何をやっても失敗してしまう(笑)。そんなところが魅力的です。

――今作は完全な3Dアニメーションではなく、2Dを織り交ぜて製作していて、オリジナルアニメへのリスペクトが感じられました。そのことについてどう思われますか?

同感です。このプロジェクトに入るにあたって、監督のティム・ストーリーと話したときに、最初に抱いた疑問のひとつがそれでした。「私はオリジナルアニメのファンなのですが、まさかすべてをコンピュータアニメーションにして、ロボットみたいにはしないですよね?」って(笑)。そこで、彼らが手描きのアニメーションで、2Dと少しの3Dを組み合わせて作っていることを知って、まさに私が求めていたものと一致していると思いました。とても素晴らしいやり方だと思います。

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――ケイラがジェリーの部屋の小さなドアをノックするシーンが可愛らしくて大好きなのですが、どこまでが本物でどこからがCGなのですか?

あのとても小さなドアですよね! あれは実際にあったんですよ。それ以外の小さな部屋の中身はCGです。でもあの小さなドアは本物で、小さな車も本物でした。

クロエ・グレース・モレッツとティム・ストーリー監督
クロエ・グレース・モレッツとティム・ストーリー監督

――どのような経緯で今作に参加されたのでしょうか? 監督やスタッフとどう映画を作り上げていったのか教えてください。

トムとジェリー」を実写化するという情報を得て、脚本を読んでとても気に入ったのですが、同時に少し不安でもありました。先ほども言いましたが、ほかでもない「トムとジェリー」ですから、(実写映画にしても)それほど素晴らしい作品にならないのではないかと心配だったんです。結果的にはとても素晴らしいものになってよかったです。

出演の話が進んでティムと会うことになったのですが、私たちはお互いに待ち合わせの場所を間違えて、結局ビバリーヒルズのホテルで落ち合いました。本来居る予定ではなかったホテルで打ち合わせをすることになったことは、今作の舞台がホテルであることを考えるととても面白かったです(笑)。プロジェクトを象徴するような出来事だったので、すごく意気投合しました。

ティムは非常に頭の良い人で、その誠実さには本当に感謝しています。彼は、「私はすべての答えを持っているわけではないし、この映画がどうなるかもわからない。でも、この企画を恐れずに真っ先に飛び込んで挑戦し、製作者になることを望んでくれるパートナーが欲しい」と言っていました。そしてその意志は、撮影現場にもきちんと持ち込まれました。私たちは協力し合い、最善を尽くしてこの作品を完成させました。結果的に上手くいって本当にラッキーだったと思います。正直、今作は最高なものになる可能性も、最悪になってしまう可能性も秘めていましたから(笑)。本当に良かったです。

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――今作の明るくて面白くて幸せになれるストーリーが、特にこのパンデミック下では力を発揮していますね。

その通りです。私がこの映画を初めてみなさんにお知らせしたときには、この1年数カ月間に経験したことは何も起こっていませんでした。このような状況下だからこそ、今作のような映画は必要で完璧だと思うんです。この映画は、観客の緊張を解きほぐし、クレイジーな物語に身を任せ、90分間笑って過ごさせてくれます。いま私たちを取り巻く困難な状況から、少し距離を取れるように。

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――演じられたケイラは、面白くて明るくて、おどけることが好きで、ウィットに富んだ女性です。共感する部分はありますか?

私がこれまでに演じてきたほかのキャラクターと比べると、確かにクールさに欠けますよね(笑)。本当の私は、もう少しだけおどけていて、ちょっとおバカで、ときどきボケたりするんですよ。これまでのキャラクターよりもケイラに似ていると思いますね。

――目の前にトムとジェリーがいない状態での演技の苦労はありましたか?

最初は確かに大変でした。どうすればいいのか、技術的にどうスクリーンに映るのかを考えなければなりませんでした。実際、現場には毎日アニメーターがいて、できること、できないことを教えてくれました。(トムとジェリーの)パペットがいたのですが、アニメーターがパペットの動きを助けてくれて、そのペースを掴んでからは上手くいきましたね。私としては、感情やコメディーの幅を思い切り広げてみたので、最終的にどうなっているか見ていただきたいです。

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――今作の日本でのキャッチコピーは「大嫌いだけど、好き。」です。トムとジェリーの関係をどう思いますか?

面白い関係ですよね。幼いきょうだいのような関係が浮かびます。互いの髪を引っ張ったり、足を引っ掛けたりして笑うような。でも最終的には、実際に相手を傷つけたりはしない。本当にトムとジェリーみたいなことをしたらやりすぎです! 彼らはアニメだから生き延びられるし、大丈夫なんですよ(笑)。でも、もし誰かがふたりを傷つけようとしたら、お互いに助け合い、守り合うと思います。ふたりはお互いをすごく愛していますから。

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