人間の悪と愛を前代未聞のスケールで活写 ソ連全体主義の社会を完全再現した問題作「DAU. ナターシャ」予告編

2021年1月27日 12:00


2月27日から公開
2月27日から公開

「ソ連全体主義」の社会を完全に再現するという、映画史上初の試みともいえる異次元レベルの構想と高い芸術性が評価され、第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した「DAU. ナターシャ」の予告編が公開された。

人間の悪と愛に関する研究を前代未聞のスケールで描き、衝撃的なバイオレンスとエロティックな描写が物議を醸し賛否の嵐を巻き起こした本作は、オーディション人数約40万人、衣装4万着、欧州史上最大の1万2000平米のセット、主要キャスト400人、エキストラ1万人、撮影期間40カ月、35ミリフィルム撮影のフッテージ700時間、莫大な製作費と15年もの歳月を費やし、膨大なフッテージから創出された映画化第1弾だ。

観客は秘密研究都市にあるカフェで働くウェイトレス、ナターシャの目を通し、観客は独裁の圧制のもとで逞しく生きる人々と、美しくも猥雑なソ連の秘密研究都市を体感。そして、巨大な迷宮の入り口であると同時に、当時の政権や権力がいかに人々を抑圧し、統制したのか、その実態と構造を詳らかにし、その圧倒的な力に翻弄される人間の姿を生々しく捉えていく。

予告編では、秘密研究所に併設された食堂の責任者として働くナターシャの昼の姿、そして閉店すると一変、同僚ウェイトレスのオーリャと店内の食糧を肴に夜な夜な酒を飲みかわす夜の顔を中心に、研究所に関わる人々の生々しい姿を映す。そして、外国人科学者リュックとの関係を疑われたナターシャがKGBに連行され、激しい拷問を受ける姿を切り取っている。

2月27日から、シアター・イメージフォーラム、アップリンク吉祥寺ほか全国で公開。

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