日本在住のインド出身監督が、北米最大の日本映画祭ジャパン・カッツで大林賞受賞

2020年8月15日 10:00


2021年春の公開が決定している「コントラ」
2021年春の公開が決定している「コントラ」

[映画.com ニュース]北米最大の日本映画祭「第14回ジャパン・カッツ」で、故大林宣彦監督の日本映画界での偉業を称え創設された「大林賞」を、日本在住のインド出身監督、アンシュル・チョウハンの最新作「コントラ」が受賞した。

「JAPAN CUTS ジャパン・カッツ」は、2007年の開始以来、毎年7万人以上の観客を動員し、全米初公開作品を多く含む300本以上の邦画を上映してきた、ジャパン・ソサエティー(JS)が主催する北米最大の日本映画祭。故・大林宣彦監督の日本映画界での偉業を称え、その名を冠した「大林賞」が今年新設された。同賞は、日本映画の未来を担う次世代の若手監督の自主制作による長編作品を7作品上映するネクジェネレーション・コンペティション部門から、審査員が最も優れた作品の中から1作品を選出する。

アンシュル・チョウハン監督
アンシュル・チョウハン監督

アンシュル・チョウハン監督は、1986年北インドで生まれ。陸軍士官学校で訓練を受け、大学にて文学士を取得した後、アニメーターとして2006年からパプリカスタジオにて働き、2011年に東京へと拠点を移す。その後、自主制作映画への情熱が芽生え、2016年にKowatanda Films(コワタンダ・フィルムズ)として活動を始めた。

受賞作「コントラ」は、「東京不穏詩」(2018)に続く、メイハン監督の長編第2作。祖父が大事にしていた第2次世界大戦の戦中日記を見つけた女子高生(円井わん)が、後ろ向きにしか歩けない不思議な男(間瀬英正)と出会ったことをきっかけに小さな町で起こる波紋を描いた、ファンタジー映画。戦争の記憶と地方の鬱屈、経済格差や父と娘の相克といった日本の現代社会の問題を浮き彫りにしながらも美しい映像で描き出す。なお、本作は2021年春、新宿K's cinemaでの公開が決定している。

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