第33回東京国際映画祭、3部門統合した「TOKYOプレミア2020」設立 全作品対象の観客投票を実施

2020年8月6日 13:00


東京フィルメックスとの連携も深めることに
東京フィルメックスとの連携も深めることに

[映画.com ニュース] 第33回東京国際映画祭(10月31日~11月9日)の開催概要が、このほど発表された。

世界中の映画祭が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、中止や延期、あるいは縮小を余儀なくされている。そのような状況下でも、東京国際映画祭は「映画を観る喜びを再認識し、映画の未来への希望の光を灯す」「映画を通じて国際的な連帯を強める」「コロナ後の映像文化についての考察を深める」という3つの目的を掲げ、映画館でのフィジカルな上映を基本として実施する。

しかし、人の国際的移動の困難、感染対策の徹底など、多くの制約があり、例年と同様の映画祭を行うことが難しいというのも事実だ。その結果、昨年まで実施していた「インターナショナル・コンペティション」、アジアの新鋭監督の作品を集めた「アジアの未来」、日本映画の気鋭作品をそろえた「日本映画スプラッシュ」の3部門を、「TOKYOプレミア2020」という1つの部門に統合。さまざまな賞を競う形ではなく、全作品を対象に観客投票を行う「観客賞」を設けることになった。

「TOKYOプレミア2020」は、ワールドプレミアやアジアンプレミアの作品を中心に、内外の個性豊かな監督の新作を披露するショーケース部門。日本、アジア、欧米といった地域のバランスは保ちながら、従来のコンペ3部門の選定視点も残し、30本程度のプログラムを予定。全体のラインナップとしては、全作品が監督のキャリアに関わらずフラットに並び、世界から集まった映画の多様性が持つ面白さを、観客に味わってもらうことを目的としている。

なお、上映作品の選定は、幅広い知見・人脈、多様な価値観を有する外部専門家の協力によって、委員会制の合議の下に進めることに。作品選定コミッティメンバーは、安藤紘平氏(早稲田大学名誉教授)、石坂健治氏(東京国際映画祭シニア・プログラマー)、市山尚三氏(映画プロデューサー)、金原由佳氏(映画ジャーナリスト)、関口裕子氏(映画ジャーナリスト)、矢田部吉彦氏(東京国際映画祭シニア・プログラマー)となっている。

さらに、これまで時期的に近接して開催していた「東京フィルメックス」との連携を深める。これにより、カンヌ国際映画祭の大きな枠組みのなかで、独立性をもって開催される「カンヌ監督週間」と似た形で、ほぼ同時期に開催。“映画界の連帯強化”という理念の下、相互乗り入れ効果を期待しているようだ。

第33回東京国際映画祭は、10月31日~11月9日に、東京・六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催。

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