ロサンゼルスの歴史的映画館エジプシャン・シアターをNetflixが買収

2020年6月8日 14:30


Netflixが買収
Netflixが買収

[映画.com ニュース] 米ロサンゼルスにある歴史的な映画館エジプシャン・シアターを、米ストリーミング大手のNetflixが買収したことが明らかになった。

ハリウッド大通りにあるエジプシャン・シアターは、興行師シド・グローマンが1922年にオープン。ハリウッド史上初の映画プレミアの舞台となり、その後、グローマンが27年に開業しチャイニーズ・シアターと並んで、ハリウッドを代表する映画館として親しまれてきた。

しかし、時代の流れとともにハリウッド周辺の治安が悪化し、オーナーが移り変わることになった。96年、非営利団体アメリカン・シネマテークが映画館の修復を行うことを条件に、ロサンゼルス市から1ドルで獲得。その後、1200万ドル以上をかけて修復し、98年に営業を再開した。以降アメリカン・シネマテークによる魅力的な上映プログラムや豪華ゲストによる質疑応答で人気を博してきたが、近年は経営難に陥っており、2019年からNetflixと売却に向けた話し合いを進めてきた。なお、売却条件は明らかにされていない。

Netflixは、19年8月に米ニューヨークの老舗映画館パリス・シアターを買収していることから、東海岸と西海岸で自前の映画館の獲得したことになる。多くのオリジナル映画を手がけているNetflixだが、アカデミー賞に出品するためにはロサンゼルスでの商業上映を7日間連続でする必要がある。映画業界の慣例となっている「シアトリカル・ウィンドウ」(映画作品を2次使用する際は劇場公開開始から約90日間を開けなければならないというルール)を無視しているNetflixは、メジャーの映画館チェーンでは上映を拒否されているという事情もある。今回エジプシャン・シアターを獲得したことで、賞レース対策は万全となったといえる。

Amazonで今すぐ購入

関連ニュース