「キャッツ」賞レース参戦不可か?

2019年11月11日 13:30


日本公開は20年1月24日
日本公開は20年1月24日

[映画.com ニュース] 毎年クリスマスシーズンになると、賞レースを賑わすこと必至とされながらも、各賞が設けた締め切りに間に合うのかとハラハラさせられる期待作が数多く出現する。クエンティン・タランティーノ監督の「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012)しかり、マーティン・スコセッシ監督の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13)しかり、ゴールデングローブ賞をはじめとする前哨戦に乗り遅れながら、すべり込みでアカデミー賞にノミネートを果たした作品は少なくないが、今年は実写版「キャッツ」が同じ運命を辿りそうだ。

同作は、1981年の初演以来今なお世界中で愛され続け、世界累計観客動員数8100万人を記録した大ヒットミュージカルを、「英国王のスピーチ」のトム・フーパー監督のメガホンで実写映画化したもの。テイラー・スウィフト(ボンバルリーナ役)やジェニファー・ハドソン(グリザベラ役)、ジェームズ・コーデン(バストファージョーンズ役)、ジュディ・デンチ(オールドデュトロノミー役)、イドリス・エルバ(マキャヴィティ役)、イアン・マッケラン(ガス役)ら豪華キャストも注目を集めている。

12月20日から全米公開される同作だが、米Indiewireによれば、ゴールデングローブ賞やナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、ニューヨーク批評家協会賞、ロサンゼルス批評家協会賞、全米俳優組合(SAG)賞など、アカデミー賞を除く主要な映画賞から軒並み除外されることになりそうだという。

ニューヨーク批評家協会賞のノミネート投票は12月4日に行われるが、同サイトが関係者から入手した話によれば、協会のメンバーは製作・配給元の米ユニバーサル・ピクチャーズから、12月中旬にならないと試写ができないと告げられた模様。12月3日に受賞結果発表となるナショナル・ボード・オブ・レビュー賞はもとより、映画部門の最終上映日を同4日に設けているゴールデングローブ賞、同8日にノミネート投票を締め切るSAG賞も、ほぼ絶望的だとみられる。アカデミー賞に関しても、授賞式が20年2月9日と例年より早まったことで、ノミネートの投票締め切りも1月7日に繰り上がったため、滑り込みセーフとなるのか否かは微妙なところだ。

とはいえ、2本合わせた世界累計興行収入で10億ドルのメガヒットを記録した「マンマ・ミーア!」とその続編「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」、ならびに「キャッツ」と同じく大ヒット舞台ミュージカルをフーバー監督のメガホンで実写映画化した「レ・ミゼラブル」(世界累計興収4億4200万ドル)に匹敵するスマッシュヒットを狙っているというユニバーサルにとって、アワードはさほど重要ではないのかもしれない。実写版「キャッツ」は、20年1月24日に全国公開。

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