デンマーク映画「わたしの叔父さん」主演女優は元獣医!叔父と共演

2019年10月31日 20:24


フラレ・ピーダセン監督と主演女優の イェデ・スナゴー、プロデューサーの マーコ・ロランセン
フラレ・ピーダセン監督と主演女優の イェデ・スナゴー、プロデューサーの マーコ・ロランセン

[映画.com ニュース] 第32回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されたデンマーク映画「わたしの叔父さん」の公式会見が10月31日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、来日したフラレ・ピーダセン監督と主演女優のイェデ・スナゴー、プロデューサーのマーコ・ロランセンが臨んだ。

本作は、美しいデンマークの農村風景の中で、酪農家として生きる若い女クリスと体の不自由な叔父の姿を描く。最小限の音響効果、自然光で撮影された演出により、静ひつな映像美で織りなされるヒューマンドラマだ。

幼少期に両親と兄弟を失ったクリスは、家畜の世話をしながら叔父と実の親子のように暮らしている。毎日が大きくは変わらないふたりの日常は淡々と過ぎていくが、ある日、クリスの獣医になりたいという夢に葛藤することになる。

ピーダセン監督は、実際のデンマークの農村に住み込み、体の不自由な老人の暮らしに密着しながら物語を書き上げたという。その農家の老人こそ、実際に叔父役で出演しているペーダ・ハンセン・テューセンだ。そして姪(めい)役には、テューセンの実の姪である女優のスナゴーをキャスティングした。「彼女のことは昔から知っていました。彼女の叔父ペーダのことも。彼は25歳の時に家業の農家を継いだんです。それで彼が63歳の時、私は『映画を撮りたいんだけれどいい?』と聞きました。そしたら彼が『いいよ』といったのです。そういった経緯があって、この映画はフィクションだけれども、リアルになったと思います。また、ペーダが5年くらい前に、実際に病に倒れたというのがあって、この映画を撮る後押しになりました」と語る。

「デンマークは、大学に行くとなると生まれ故郷を出て、町にある大学に行くのが普通です。私も大学に行く時に故郷を出ましたが、故郷はすぐには帰れない場所という悲しさが、ずっと心にありました。そういう要素もこの映画を撮る動機になったと思います」

スナゴーは、女優になる前は獣医だったというユニークな経歴だが、今作の中のクリスという人物像とも重なってくる。「今回、女優として映画に出演したのは2作目です。前作もピーダセン監督の作品でしたが、今回は、叔父さんが暮らす農場の自然の中で、私も自然に役を演じることができました」。

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