【SW先行インタビュー第2弾】デイジー・リドリー、SWシリーズに後悔なし「精一杯やらせてもらえた」

2019年10月15日 12:30

取材に応じたデイジー・リドリー
取材に応じたデイジー・リドリー

[映画.com ニュース] 世界的人気SFシリーズの最新作「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」のロングリード(先行)取材が、米ロサンゼルスで行われた。当時新人ながら「スター・ウォーズ フォースの覚醒」(2015)のヒロイン、レイ役に大抜てきされ、一躍スターダムを駆け上がったデイジー・リドリーが、自身を見出してくれた「スター・ウォーズ」シリーズへの思いを語った。(取材・文/編集部)

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――「最後のジェダイ」は、レイのドラマの終わりとも思える展開でしたが、公開された「スカイウォーカーの夜明け」の映像では、レイが内面の闘いを繰り広げるようでした。

「最後のジェダイ」が公開されたあと、今作の撮影開始まで1年くらいあって、その間に、レイの話はもう十分語ってしまったのではないかと思うようになっていました。でも、J・Jが教えてくれたストーリーを聞いて、納得したんです。今作では、レイの内面の壮大なジャーニーが繰り広げられます。レイはトレーニングを積んできて、自分が目標とするところにかなり近づいてはいるけれど、「最後のジェダイ」で彼女がルークに聞いたことはまだ解決していなくて、むしろ強まっていると言えるでしょう。大きく試されているんです。それが彼女のジャーニーの核となります。そういう意味で、今作は私にとってこれまでとは違いました。これまでレイはルークにアドバイスを求めていたけれども、今作では、「自分はどうしたいのだろうか。どうすれば求めているものが手に入るのだろうか」と考えて、自分で自分のストーリーを推し進めるんです。とても素敵でした。

――「フォースの覚醒」をやっていた時、レイが最終的にどこへ行き着くのか知っていましたか?

いいえ、知りませんでした。あのときは、すべてに圧倒されてしまっていて、明日やることだけで頭がいっぱいでしたね。「最後のジェダイ」の撮影が終わったとき、ようやく「ああ、自分たちはここまで話を語ってきたんだ」と思いました。これからストーリーがどうなるんだろうと思えたのは、「最後のジェダイ」と「スカイウォーカーの夜明け」の中間くらいです。実は(「スカイウォーカーの夜明け」を)撮影しているときは、「この展開は予想外」と感じていたんです。でも今振り返ると、これ以外のストーリーはありえなかったと思います。

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――キャリー・フィッシャーさんとまた共演することになりましたが、そのことについてどう感じますか?

J・J(・エイブラムス)が言ったことが、何よりも言い得ていると思います。キャリーは著書のなかで、J・Jと2回仕事をしたと書いているんです。それを聞いて、思わず「なんてこと! 不思議すぎる!」と言ったのを覚えています。だって、まるで彼女が仕組んだようじゃないですか? 過去の映像を使ってちゃんと彼女自身に演技をしてもらえたのも、とても素晴らしく感じました。

――レイがダークサイドを意味する赤いライトセーバーを使うシーンを脚本で読んだとき、どう思いましたか?

「最高!」って思いました(笑)。これもまた、超大作ならではの奇妙な体験でした。こんなことまで起こるなんて、すごくクール。見た目も格好いいですしね。2日前、(エイブラムスの製作会社)バッド・ロボットに行ってそのショットを見せてもらったんです。素晴らしくて感動しました。すごく強そうに見えるんです。みなさんも大喜びしてくれるはずです。

――レイの赤いライトセーバーはダース・モールのものに似ていますが、同じものでしょうか?

同じものではないんです。それを聞いた人はこれまでいませんでしたね。あれが同じではないとはっきり言ったのはこれが初めてですよ!

――今回レイのアクションは全編にわたって楽しめるのでしょうか?

アダム(・ドライバー)とのファイトシーンは、6日もかけて撮影されたので、「スター・ウォーズ」の歴史で最も長いはずです。でないと、「なんであんなに長いことやったの?」って思っちゃう(笑)。あれがメインの大規模なファイトシーンですが、ほかにも楽しいアクションシーンはありますよ。

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――過去2作にはなかった、新しいチャレンジはありましたか?

意外かもしれませんが、今作には明るさがあります。「最後のジェダイ」にはレイの明るいシーンがなかったので、私も驚きました。今作はそんなに重苦しくなくて、演じていても「このトーンで本当にいいの?」と思ったほど。嬉しいチャレンジでした。それに、グループの一員というのも新しかったですね。みんなが素晴らしい演技をしていて、とても気が合って、とても居心地のいい経験でした。スクリーンを通じて皆さんに仲の良さが伝わると嬉しいです。

――この3部作に最初から関わりましたが、今どんな気分ですか?

すごく不思議な気分ですが、同時にこれが正しいとも感じます。このサーガを続けようがないくらい、本作の結末は本当にエピックですから。とは言っても、映画が公開されて、終わってしまったら悲しく感じるかもしれません。ここまでみんなと仲良くならなかったら、そんな風には思わないのかも。みんな本当に仲良くなったので、将来きっとこの人たちと別の何かでまた仕事をするだろうなと思います。

――レイ役を得られたことに関して、誰に1番感謝していますか?

J・Jです。オーディションを受けさせてくれたキャスティングディレクターのニーナも。それをJ・Jが見てくれて、キャスリーンがオーケーを出してくれた。感謝すべき人はたくさんいます。だけど、J・Jとは1番密に仕事をしましたし、この役を作ってくれたのも彼で、私を演出してくれたのも彼。だから、やはりJ・Jですね。

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――2019年に発表されたディズニーの映画には、女性が主役の作品がたくさんありました。レイというキャラクターがその道を開いたと思いますか?

そういうことは、「フォースの覚醒」の取材で聞かれるようになるまで意識もしていませんでした。「なんて素晴らしい役なんだろう」としか思っていなかったんです。それに、普通にそうであるべきだと思います。人種がこうだから、性別がこうだからなんて関係なく、どんな人種や性別でも良いキャラクターが与えられるのが普通の状況になるべきです。J・Jやキャスリーンは、観客が映画館でそういうキャラクターを見るチャンスを作ってくれました。超大作で女性が主役というのは珍しいことですが、J・Jはそれをやってのけ、観客はそれを受け入れてくれました。そして、女性を主役にするとヒットしないという認識は間違っているかもしれないと考えさせる余地が生まれたと思います。

――「スター・ウォーズ」が終わって、このあとまったく違うことができるというのは、女優として嬉しくもあるのでしょうか?

そうですね。でも怖くもあります。普通、役者は誰にも見てもらえない作品に出ながら演技を成長させていくものですが、私はものすごくたくさんの人が見る映画に出て、演技を成長させていきました。超大作のど真んなかでしたが、とても守られていたのでここまで来ることができました。

今作で果たせたことにも満足しています。先日、キャスリーン(・ケネディ)にも「精一杯やらせてもらえたと思います」と伝えました。フィジカルな演技でも、感情をみせる演技でも、「もうちょっとできたのに」と思う部分はひとつもありません。試験に向けて猛勉強して、終わったあと「自分はできるだけのことをやった」と思うような感じですね。それがほかの人にも気に入ってもらえたら、本当に嬉しいです。

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――今後、どんなことをやりたいですか? プロデュースや監督に興味はありますか?

私はあくまで役者です。役者がプロデューサーや監督を兼任するのは素敵だと思うけれど、私は自分にアイデアがあるとは思いません。脚本を読んで、それが良いか悪いかを見る目はあると思いますが。プロデュースに関して言えば、今、本の映画化などはすごく初期段階のものに関わっているので、可能性はあるかもしれません。だけど、監督をやることはないと思います。自分がほかの優れた監督たちより良い仕事をできるとは思えませんから。

――レイというアイコニックな役を演じたことで、女優人生はどのように変わりましたか?

一変しましたね。レイ役のおかげで、あっという間にみなさんに知ってもらうことができました。これがなかったら、(「オリエント急行殺人事件」監督の)ケネス・ブラナーが、「あの子を使ってみたい」と言ってくれることなんて、絶対なかったでしょう。突然注目を集めるようになったことには、ずっと感謝し続けます。それに、本作が儲かる映画であるおかげで、私は小さな映画に出演することもできる。お金が集まりますから。それは本当に素晴らしいこと。大きな映画にも小さな映画にも出たいという私の希望をかなえる手助けになっています。

――マーク・ハミルは、ルーク・スカイウォーカーというアイコニックなキャラクターの色がついてしまったことに、のちに少し抵抗を感じたものの、フィッシャーさんにさとされ、思い直したそうです。あなたもそうなる予感はありますか?

抵抗は感じません。この撮影が素晴らしい体験だったからだと思います。この映画で本当に素敵な人たちとお仕事をさせていただき、素晴らしいところに行くことができました。もちろん、違うことをたくさんやっていきたいとは思っています。でも、レイという役でずっと覚えていてもらえるのは、良いことだと捉えています。

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」は、12月20日から全国で公開。

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