ベネディクト・カンバーバッチ主演のお蔵入り映画、奇跡の復活

2019年4月4日 09:00


「ザ・カレント・ウォー(原題)」劇中カット
「ザ・カレント・ウォー(原題)」劇中カット

[映画.com ニュース] 制作会社ワインスタイン・カンパニーの倒産に伴い、お蔵入りの憂き目に遭っていたベネディクト・カンバーバッチ主演映画「ザ・カレント・ウォー(原題)」が、晴れて全米公開される運びとなったと、米Deadlineが報じている。

同作は、トーマス・エジソン(カンバーバッチ)とジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)の「電流戦争」を描く伝記映画で、2017年9月のトロント国際映画祭でワールドプレミアを実施。だが翌10月、映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインのセクハラや性的暴行の告発記事が掲載されたことがきっかけとなり、ワインスタインが弟のボブと共同で設立したワインスタイン・カンパニーは破産法を申請。その後、同社をLantern Entertainmentが買収したものの、同作はお蔵入りのままだった。

新興の配給会社101 Studiosはこのほど、同作の配給権を300万ドルで獲得。今年8月に全米公開する予定だという。なお、劇場公開版はトロント国際映画祭で披露されたバージョンに5つのシーンを追加し、上映時間を10分短縮したもの。メガホンをとったアルフォンソ・ゴメス=レホン監督によれば、同映画祭で披露されたのはワインスタイン・カンパニーによる強い圧力によってまとめられた不本意なバージョンで、プロデューサーのティムール・ベクマンベトフらの支援を得て、再編集を続けてきたという。

今回の再編集版が実現したのは、製作総指揮に名を連ねるマーティン・スコセッシ監督のおかげだとゴメス=レホン監督は明かす。スコセッシ監督は同映画祭で披露されたバージョンを認可していなかったため、契約上は未完成扱いとなっていた。そのため、Lantern Entertainmentはスコセッシ監督が認可を与えるまでは、売却を待たなくてはならなかった事情がある。

「最終的には僕が望んでいた形とムードにまとめることができました」とゴメス=レホン監督は語っている。

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