ザカリー・リーバイ「シャザム!」オーディション辞退も2カ月後に急転直下の…

2019年3月8日 15:00


「シャザム!」に主演した ザカリー・リーバイ
「シャザム!」に主演した ザカリー・リーバイ

[映画.com ニュース] 「アクアマン」が世界累計興行収入でDC映画史上No.1の記録を更新するなか、DCコミック原作の最新作「シャザム!」が4月19日にお目見えする。見た目は大人でも中身は子どもという異色のスーパーヒーローを主人公にした同作は、従来のDC映画とは異なり、コメディ色が強いことでも注目を集めている。映画.comでは、米ロサンゼルスで主演のザカリー・リーバイに独占取材を敢行。本作の見どころをたっぷり語ってもらった。

米テレビドラマ「CHUCK チャック」の主役でブレイクしたリーバイは、「マイティ・ソー」シリーズのファンドラル役や「塔の上のラプンツェル」のフリン・ライダーの声など、活躍の幅を広げている演技派だ。「シャザム!」の主役に抜てきされたリーバイは、同作には他のアメコミ映画にはない絶対的な個性があると胸を張る。

「『シャザム!』の最大の特徴は、大人のスーパーヒーローの姿をした子どもだってことだね。僕が知る限り、マーベルやDCのライブラリーのなかでも、こんなユニークな設定のスーパーヒーローは存在しないはず。もしかしたら、日本は漫画の宝庫だから、似た設定があるかもしれないけれど(笑)」

シャザム!」の主人公は、少年ビリー。謎の魔術師に選ばれた彼は、「シャザム!」という呪文を唱えると、魔法の稲妻に打たれ、大人のスーパーヒーローに変身できるようになる。こうしてビリーは、悪ガキのフレディとともに超能力の無駄遣いをしていくことになる。スーパーヒーロー映画で超能力を得た主人公は、程度の差こそあれ、責任の重さに押しつぶされそうになったり、葛藤を抱えるものだ。しかし、今作では中身が子どもだから、従来とは異なる反応を見せる。

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「子どもの頃、誰でも一度はスーパーヒーローのフリをして遊んだことがあるよね。たとえばアメリカの5歳児はみんな、リビングの床を溶岩に見立てて、ソファーやカウチを飛び回って遊ぶものと決まっている(笑)。想像力が豊かな年頃だから、本気で自分がスーパーヒーローになったと信じられることができるんだ。『シャザム!』は、子どものイマジネーションを、そのまま実現したようなキャラクターだ。魔法の呪文を唱えれば、いきなり空を飛んだり怪力を使ったり、雷を落としたり、悪者をやっつけたりできる。子どもの無邪気さを持ったまま、超能力を発揮することを純粋に楽しむスーパーヒーローは他には存在しないはずだ」

リーバイは一度、今作への出演機会を自らの判断で絶っている。主役のオーディションのオファーがあったとき、自分よりも知名度や体格で勝っている人気俳優が起用されるものと思いこみ、「みんなの時間を無駄にしたくない」という理由で辞退したのだという。

「それから2カ月後に、『シャザム!』の端役のオーディションがあったんだ。脚本はトップシークレットだから、オーディション用にデタラメな場面が用意されていた。そこに登場するキャラクターが気に入って、これなら自分らしさが発揮できるなと思って、スマホで自分の演技を撮影して送ったんだ。するとすぐに返事が来て、『君はシャザム役に向いているかもしれない』という。シャザム役なんてとっくに決まっていると思っていたから、僕にとっては青天の霹靂だった。当時は地方にいたんで、デビッド・F・サンドバーグ監督とスカイプで打ち合わせをして、それからシャザムの登場場面を録画して送った。その後、ワーナー・スタジオでのカメラテストを経て、合格が決まったんだ。とても奇妙な展開だったけれど、これはまさにビリーと同じだなと思ったんだ。ビリーは自分が次の救世主になれるなんて思っていない。でも、魔術師は心の中をのぞき込み、彼こそが相応しいと判断した。僕の場合も今回のオーディションで、外見ではなくて中身で選んでもらえた。ただ、役が決まってからは週6日ジムに通って、どか食いをして、体を大きくしなきゃいけなくなったんだけど(笑)」

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外見は大人でも中身は子どもというキャラクターは、大人の役者にとっては相当な挑戦に思える。しかし、リーバイは「たいして苦労しなかった」と苦笑する。

「見ての通り、僕は情熱的で、外交的で、何にでも夢中になりやすい。年を重ねるにしたがって、自分を抑える術を覚えたけれど、子どものまま大人になってしまったタイプなんだ。ただ、子どもの頃の僕は、演劇やコミックに夢中なオタクだった。でも、この映画でアッシャー・エンジェルが演じるビリーは、クールな悪ガキだ。僕自身は人生で一度もクールだったことがないので、中身がクールな少年というキャラクターを演じるのは楽しいチャレンジだったね」

アメリカのマスコミのあいだで、リーバイはいつでも全力で相手の質問に対応する「いい人」として知れ渡っている。映画やテレビドラマで「いい人」を演じる機会が多いのは、彼自身の人柄によるところがありそうだ。

「実は僕はあらゆる作品のオーディションを受けているんだけれど、受かるのは、似たテーマを持ったものばかりになっている。実際『CHUCK チャック』と『シャザム!』には共通点がかなりある。どちらもヒーローらしくないヒーローだ。しかも、自分から志願したのではなく、他人によって選ばれている。どちらも善人で、世界をより良くしたいと思っている。家族や友達を助けるためには、自らを犠牲にすることをいとわない。僕自身もそうありたいと心から願っているから、模範的なキャラクターを演じることができるのはとても誇らしいね」

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