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◆2018/12/6更新
瑛太×橋爪功が語る 時代劇「闇の歯車」で得られる"発見"、そして作品づくりの"楽しさ"
好敵手役で共演した瑛太&橋爪功
  藤沢周平氏のサスペンス時代長編小説を時代劇専門チャンネルが映像化する「闇の歯車」の撮影現場がこのほど、京都・太秦の松竹撮影所および東映京都撮影所で報道陣に公開された。主演を務める瑛太、好敵手役の橋爪功が取材に応じ、時代劇だからこそ得られる"芝居の新発見"を存分に語った。

  江戸の深川で、荒っぽい稼業で糊口をしのぐ佐之助(瑛太)は、行きつけの酒亭おかめで謎の男・伊兵衛(橋爪)と出会う。押し入りの儲け話を持ちかけられるが、危険な匂いを感じ、これを蹴って店を出ていく。しかし同じころ、おくみという女性と暮らすことになった佐之助は、懐をあたたかくするため伊兵衛の誘いに乗り、仲間となる男たちとともにある商家に眠る七百両を狙う。

  瑛太と橋爪は、東映京都撮影所にある酒亭おかめのセット前で取材に応じた。京都での時代劇撮影という体験に、「毎日を新鮮な気持ちで迎えられています」と充実の表情をのぞかせた瑛太。隣に座る大俳優に目を向け「俳優を始める前から見ているお方。初日はものすごく緊張しましたが、待ち時間などでお話しすると懐の深い、大阪のオヤジという感じ(笑)。スタッフとの対話や俳優としての居方など。観察させてもらって、勉強になりました」と親しみと尊敬を込める。橋爪との共演が嬉しくて、楽しくてたまらない、そんな様子だ。

  今ではすっかり打ち解けたようで「2週間近く、ずっとお話ししていました。橋爪さんに食って掛かるシーンが多いんですが、気持ちよかったのは、お互いに立ち上がって『おまえ、誰だ』と言い合うところ。僕は身長だけは高いので、橋爪さんを思いっきり見下すことができた」と冗談めかして明かす。懐にスッと入ってきた瑛太に対し、橋爪も「うるせえな(笑)。瑛太くんは会ったときから、普通とは違う色っぽさがあった。どんな役をやっても、違うことをやりそう。面白い人だよな」と頬を緩めた。

  人情ものが多い藤沢作品では珍しい、サスペンスが中心となる今作。目玉のひとつは、瑛太と橋爪によるのっぴきならないバトルだ。「こうしよう」と決めごとはないそうだが、橋爪は「時代劇は、基本的に省略と飛躍だと思う」と切り出し、「現代劇だと(リアルを過剰に意識するあまり)セリフや動きが多くなる。しかし時代劇だと、そのへんを省略しても違和感がない。かえって今回は、そこが見ものかなと思います」と述べる。アクションの出来栄えをアピールした瑛太も、「できるだけ説明を排除し、かつ躍動感を与える。今までは武士の役が多かったため、町人役で初日は頭がぐるぐるするほど混乱しましたが、橋爪さんのお芝居を見て、胸を張りすぎなくていいことがわかった。実物の町人を見ている人はいないから、『こんな人間もいるだろう』と、何をしたっていいはずなんです」と新たに発見した知見に言及し、橋爪は「それが正解ですよ。時代劇に入ると、自分の可能性が広がる気がするんだよな」とほほ笑んだ。

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  この日は松竹撮影所のオープンセットで、クライマックス付近の緊迫感あふれるシーンが撮影された。祭りに賑わう清住町近くの通り。あることがきっかけで対立を余儀なくされた佐之助と伊兵衛が、ごった返す見物客たちを挟んでにらみ合う。伊兵衛はある女を亡き者にしようと懐の匕首に手を当て、佐之助は女を守ろうと人波を掻き分ける。一瞬だけ交錯した2人の視線が激しく火花を散らし、事態は弾かれたように動き出す。

  瑛太と橋爪は町人役の俳優たちに取り囲まれながら、芝居を繰り広げる。刃物のように鋭利な短いセリフ、そして激情のこもった表情で、観念的なぶつかり合いを具現化していく。吹き下ろした冷たい風が、無数の風ぐるまを狂ったように回し、柳の木を不穏に揺らして通りに抜けた。「本番。よーい、スターツ!」。山下智彦監督が低く唸るように声を上げ、本番特有の、期待と不安をはらんだ緊張感があたりに走った。

  カットがかかると、現場には関西弁のボケ・ツッコミと笑いが飛び交う。東京の現場ではなかなか見られない光景が魅力的だ。特に山下監督は天然のムードメーカーのようで、瑛太は「大好きな監督です。すごく手をかけてくださるし、スタッフみんな威勢が良くて楽しそう。疲れた顔を見たことがないんです。あとギャグが面白い。面白いことで撮影所は成り立っていると示してくれる。『映画づくりは楽しい』という原点に返らせてもらえる」と振り返り、「初日のワンシーン目で、監督から『おらあ! ダメじゃボケえ!』と罵声を浴びせかけられたんです。でも、俳優としてあそこまで叱られることがなかったので、嬉しくて大笑いしてしまった」と笑顔でぶっちゃける。

  長く京都で芝居する橋爪は、「逆に言うと、今はおとなしいくらい。罵声が飛び交う現場で育ってきたので、今なんか物足りなくて、俺が大声を出したりするくらい(笑)。東京からいらした人は、京都の現場にはビビるんですよね。でも瑛太くんのその話を聞いたら、『ビビらなかったのか、頼もしいな』と感じた」と明かす。さらに「京都には昔から名物監督とか、どのパートにいってもすごい人がたくさんいる」と前置きし、「その独特の雰囲気が俺は好き。京都の撮影所がなくならないように願っている。こんなに面白いところは、ほかにないんだから」と話す姿から、伝統の維持・発展を願う切なる心情が伝わってきた。

  「闇の歯車」は、2019年1月19日から東京・丸の内TOEIほか全国5大都市を中心に期間限定で上映され、同2月9日から時代劇専門チャンネルで放送される。

(C)2019「闇の歯車」製作委員会 写真:江森康之
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