「プーと大人になった僕」ユアン・マクレガー、作品選びの“コツ”を明かす

2018年9月13日 13:00

日本でも絶大な人気を誇る
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[映画.com ニュース] ディズニーの人気キャラクター「くまのプーさん」を実写映画化した「プーと大人になった僕」が、9月14日に全国公開される。このほど、主演を務めた人気俳優ユアン・マクレガーが初来日を果たし、作品の舞台裏や作品選びのコツ、自身の“役者論”について存分に語った。

くまのプーさんと、大人になった親友クリストファー・ロビン(マクレガー)の奇跡の再会から始まる本作。結婚し、多忙な日々を送る会社人間になってしまったロビンが、プーや“森の仲間たち”との新たな冒険を通じ、忘れかけていた“大切なもの”を思い出していく。「ネバーランド」や、「かごの中の瞳」(9月28日公開)のマーク・フォースター監督がメガホンをとった。

トレインスポッティング」のようなエッジ―な作品から、「ビッグ・フィッシュ」「人生はビギナーズ」といったヒューマンドラマ、「美女と野獣」「スター・ウォーズ」といった超大作まで、ジャンルや規模を問わずに出演し続けてきたマクレガー。作品選びで重要視するのは「脚本」だといい、「元々の脚本がよくなければ、いい映画なんかできるわけがないからね」と柔和な語り口ながらも、確固たる意志をにじませる。

本作の場合は、「とにかく読んだときに共感したんだ」という。「クリストファー(・ロビン)はもちろんのこと、彼の家族にもね。そして、森の仲間たちとクリストファーのやり取りに心を動かされた。彼らがどうやってクリストファーに童心を思い出させて、今よりもハッピーな場所に連れて行ってくれるのか、その道のりもすごく好きだったんだ。美しい映画になると思った」。

マクレガーの言葉にあるように、本作のキーワードに挙げられるのが“童心”、さらに言えば想像力だ。社会の波にもまれ、固定観念で凝り固まってしまったロビンが、プーとの再会によって自由な発想を取り戻していくさまは、見る者にさわやかな感動を与える。マクレガーは、「プーとは4カ月撮影で一緒に過ごしたけれど、テディベアはテディベアなんだよね。だから、想像力を駆使して演じなければいけなかった」と苦労を明かしつつ、「だけれど完成した作品を見てすごく驚いたのは、自分の思い描いていた通りの演技をプーがしていたことだよ」と笑みを浮かべる。

その理由として、マクレガーは本作ならではの撮影スタイルを解説する。「現場では、実際にテディベアがいて、まず撮影を行った。その後、例えばVFXチーム用に灰色の、毛が全くないツルツルのヤツに置き換えて撮影したり、あるいは手足がない状態でやってみたり、といった形でたくさんテイクを重ねていたんだ。そして実は、監督が若い役者たちにそれぞれのキャラクターを演じてもらっていた。だから、僕が1人で何もないところで演技するのではなく、そこにプーがいて、プーを手で持ってる若い俳優がいて、プーのセリフは全部彼らが言ってくれていたんだ。アドリブを言えばアドリブに付いて来てくれたんだよ! それをVFXのチームがずっと見ていてくれて、演技をそのまま映像化してくれたんだ」。

マクレガーは“彼らのおかげ”といった口ぶりで謙そんするが、本作が人々に共感を与えるのは、根幹に本人の表現力があってこそだろう。一体どのようにして、マクレガーは想像力を保ち続けているのか? その答えは実に、彼らしいものだった。「俳優活動を行っていくために想像力は必要だけれど、『“想像力筋”を鍛えよう!』特別意識する必要はないんじゃないかな。むしろ、意識すべきものじゃないのかもしれない。想像力というのは一種の在り方、生き方みたいなもので、僕は常に人を観察しちゃってるし、自分の頭の中で勝手に物語を作ってしまうんだよ。僕にとってはそれが“普通”なんだ」。

まさに、俳優になるために生まれてきた男。そんなマクレガーは、「想像力に滋養を与えてくれるのは、良質な筆致、あるいは脚本や物語だと思う」と続ける。「そういう物を読むと、想像力がものすごく広がっていくんだ。ただ、僕はすごくシンプルで、チェックリストで『これとこれとこれ』という風に(精査して)作品を決めているわけではなく、自分の本能を信じているよ。(脚本を)読んでいるときに何か燃えるものを感じたら、『よし、やろう!』という風になるんだ」と再びほほ笑んだ。

プーと大人になった僕」は、9月14日から全国公開。

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