はやくも2019年アカデミー賞ノミネート候補の予想がスタート
2018年3月9日 11:00
[映画.com ニュース] 3月4日(現地時間)に行われた第90回アカデミー賞授賞式をもって、正式に幕を閉じた今年の賞レース。そんななか、英ScreenDailyがはやくも2019年アカデミー賞作品賞の有力候補を大胆予想。同サイトが選出した12本の中から、特に注目度が高い作品を紹介する。
▼「ファースト・マン(原題)」
「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督が再びライアン・ゴズリングを主演に迎え、人類で初めて月面に降り立った米宇宙飛行士、ニール・アームストロングの生涯を描く伝記映画。昨年の第89回アカデミー賞授賞式では前代未聞の手違いにより、一度は手にしたオスカー像を「ムーンライト」のバリー・ジェンキンス監督に譲り渡すという屈辱を味わったチャゼル監督が、本作でリベンジを果たすことになるのか、注目が集まる。
▼「If Beale Street Could Talk(原題)」
次はそのジェンキンス監督の新作。1970年代初頭の米ニューヨーク・ハーレムを舞台に、若い黒人カップルの愛と信念を描いたジェームズ・ボールドウィンの長編小説「ビール・ストリートに口あらば」を原作に、ジェンキンス自ら脚色を手がける本作は、無名の新人女優キキ・レインをヒロインに抜てきしたことでも話題を呼んでいる。
▼「メアリー・クリーン・オブ・スコッツ(原題)」
今年のアカデミー賞で共に主演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーが、スコットランド女王メアリー1世とイングランド女王エリザベス1世をそれぞれ演じる歴史ドラマ。「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のショーランナーとして知られるボー・ウィリモンが脚本を執筆、これが2本目の長編監督作となるジョシー・ルークがメガホンをとる。
▼「バックシート(原題)」
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のアダム・マッケイ監督がメガホンをとる、元米副大統領ディック・チェイニーの伝記映画。チェイニー役を演じるクリスチャン・ベールが、役作りのため激太りしたことでもすでに話題を呼んでいる本作には、「スリー・ビルボード」で初オスカーを手にしたサム・ロックウェル、スティーブ・カレル、エイミー・アダムスら豪華実力派キャストが名を連ねる。
▼「Widows(原題)」
「それでも夜は明ける」以来となるスティーブ・マックイーン監督の新作は、犯行中に射殺された4人組強盗団の未亡人らが結託し、夫たちの仕事を完遂させようとするクライムサスペンス。アワードの常連ビオラ・デイビスが主演を務めるのに加えて、女性キャラクター中心の映画を求める声が高まっている現在、強い女性たちが主人公という点においても高評価を得るはずだ。
このほかにも、「ゲット・アウト」で今年の賞レースを席巻したジョーダン・ピール監督とスパイク・リー監督がタッグを組み、白人至上主義団体KKKに潜入した実在のアフリカ系アメリカ人刑事を描くクライムスリラー「Black Klansman(原題)」、人気俳優ジョエル・エドガートンの長編監督2作目となる「Boy Erased(原題)」、7度のアカデミー賞ノミネートを誇るイギリスの名匠マイク・リー監督が、1819年に英マンチェスターで起きた民衆弾圧事件「ピータールーの虐殺」を題材に英国史の暗部に切り込む時代劇「Peterloo(原題)」、第88回 アカデミー賞で作品賞を含む4部門にノミネートされ、ブリー・ラーソンが主演女優賞に輝いた秀作ドラマ「ルーム」のレニー・アブラハムソン監督最新作「The Little Stranger(原題)」、エマ・ストーンとニコラス・ホルトを主演に迎えたギリシャ人監督ヨルゴス・ランティモス(「ロブスター」)の新作「The Favourite(原題)」など話題作が目白押しのため、激戦が予想される。