女性が描く女性の世界!ハリウッドで女性監督&プロデュース作品が続々製作

2018年2月24日 12:30


女性ならではの視点で描く
女性ならではの視点で描く

[映画.com ニュース] ソフィア・コッポラ監督が第70回カンヌ国際映画祭で監督賞に輝いた「The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」が2月23日に公開された。主演したニコール・キッドマンは、「2016年に製作された主な映画のうち、女性監督によるものはたったの4.2%」と映画界の実情を訴え、この統計を変えるため「少なくとも18カ月に1度は女性監督の作品を選んで出演する」と宣言。女優、そして映像製作者として、ハリウッドをはじめとする映像業界での女性の地位向上に尽力している。そこで映画.comでは、公開が決定しているものから企画段階のプロジェクトまで、女性が監督・プロデュースする女性が主人公の映像作品を先取りで紹介する。

▼「The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」(公開中)
 コッポラ監督、キッドマン主演で情欲と嫉妬を描くスリラー。南北戦争期、アメリカ南部にある世間から隔絶された女子寄宿学園に暮らす7人の美女は、負傷した北部の敵兵を屋敷に運び入れ、手当てをする。紳士的で美しい負傷兵に心を奪われた女たちは、情欲と嫉妬に支配されていく。原作となったトーマス・カリナン氏の小説「The Beguiled」は男性視点で描かれるが、映画版では女性たちの視点で物語が進行するように変更されている。

▼「レディ・バード」(6月公開)
 女優としても活躍するグレタ・ガーウィグが、シアーシャ・ローナンを主演に迎え、初単独監督と脚本を兼ねた自伝的青春映画。閉塞感漂う片田舎の町でカトリック系の女子高に通う17歳のクリスティン(自称レディ・バード)が、高校生活最後の年を迎えて、友人やボーイフレンド、家族、そして自分の将来について悩み、揺れ動く様子を瑞々しくユーモアたっぷりに描いた。「フランシス・ハ」や「ハンナだけど、生きていく!」などで脚本を手がけ、「Nights and Weekends」(日本未公開)では共同監督を務めたガーウィグ。今作は、第75回ゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル部門で最優秀作品賞、最優秀主演女優賞を受賞。第90回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞など5部門にノミネートされている。

▼「ワンダーウーマン2(原題)」(2019年公開)
 ガル・ギャドット主演の大ヒット作「ワンダーウーマン」の続編。パティ・ジェンキンス監督が前作に続きメガホンをとることが正式に決定している。今作では製作・監督・脚本を兼務し、監督のみだった前作に比べ、報酬も100万ドルから800万ドルに大幅アップ。これは、女性監督としては史上最高額となる。脚本は、DCエンタテインメント社長のジェフ・ジョンズとともに手がけている。

▼「ビッグ・リトル・ライズ セレブママたちの憂うつ」シーズン2(2019年以降全米放送予定)
 米HBOによる第69回プライムタイム・エミー賞8冠、第75回ゴールデングローブ賞4冠に輝いた、リース・ウィザースプーン&キッドマン制作総指揮&主演のテレビシリーズの続編。前作では、2人のほか、ローラ・ダーンシャイリーン・ウッドリーゾーイ・クラビッツが共演し、米カリフォルニア州モントレーの高級住宅街を舞台に、不倫、DV、レイプなど、幸せそうに見えた母親たちが抱える闇に迫った。シーズン2には、前作のメインキャストに加えメリル・ストリープの出演が決定しており、テレビシリーズにウィザースプーン、キッドマンと合わせ3人のオスカー女優が揃うことでも注目を集めている。

▼「Bird Box(原題)」(12月21日全米公開)
 サンドラ・ブロックが主演するNetflixの新作SFスリラー。デンマークを代表する女性監督スサンネ・ビアがメガホンをとる。2014年に出版された、作家ジョシュ・マラーマンのデビュー作である同名小説が原作。舞台は、謎の地球外生命体に襲撃された近未来の地球。地球外生命体の姿を見た人間は凶暴化、または自殺したことで人口が著しく減少している。そんななか、母親のマロリー(ブロック)と2人の幼い子どもたちは、目を閉じて聴覚だけを頼りに、生存をかけて小舟に乗り川を進んでいく。ジョン・マルコビッチの出演も決定している。

▼「Penguin Bloom(原題)」(公開時期未定)
 ウィザースプーン&ナオミ・ワッツのプロデュースで、豪ベストセラー「ペンギンが教えてくれたこと ある一家を救った世界一愛情ぶかい鳥の話」を映画化。原作は、1羽の鳥に救われて、悲劇を乗り越えた家族の実話。オーストラリア郊外に住む写真家のキャメロン・ブルームと妻のサム、3人の息子たちは、幸せな日々を送っていたが、サムが事故で半身不随になってしまう。壮絶な治療と介護の日々に家族が疲弊していたとき、子どもたちが巣から落ちた鳥を拾ったことで一家が変わり始める。ペンギンと名づけられたその鳥は、家族に寄り添い、勇気づけ、サムたちは明るさを取り戻していく。ワッツが主演を務める。

▼「The Picture of Dorian Gray(原題)」(公開時期未定)
 オスカー・ワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」を、セイント・ビンセントの名で知られるシンガーソングライターのアニー・クラークが映画化し、長編監督デビューを果たす。1890年に発表された原作は、不可思議な肖像画に翻弄される不老の美青年ドリアン・グレイを主人公にした物語。エロティックサスペンス「エル ELLE」の脚本家デビッド・バークが脚本を執筆する今作では、主人公を男性から女性に置き換えるという大胆な試みがなされている。

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