ケビン・スペイシー降板による撮り直しのコストは11億円以上
2017年11月14日 16:00
[映画.com ニュース] リドリー・スコット監督が新作「All the Money in the World(原題)」からケビン・スペイシーを降板させたことによる損害額が、推定で1000万ドル(約11億円)以上にのぼることがわかった。
ジョン・ポール・ゲティ3世誘拐事件を題材にした同作で、富豪一族の長ジョン・ポール・ゲティ・シニア役を演じていたスペイシーだったが、数々のセクハラ疑惑が浮上したことを受け、製作を手がけるインペラティブ・エンタテインメントとスコット監督が解雇を宣告。12月22日の全米公開予定日までわずか1カ月半という土壇場で、名優クリストファー・プラマーに交代するという前代未聞の英断を下した。
米バラエティによれば、スペイシーの出演シーンを全て差し替えるのに、少なくとも8日から10日間の再撮影が必要となり、それだけでも約1000万ドルの超過予算が発生するとみられているが、そこにポストプロダクションと予告編やポスターなどの宣伝素材を新たに作り直す費用、プラマーの出演料など数100万ドルが加わることになる。
同サイトはまた、インペラティブと配給元の米ソニー・ピクチャーズが公開日をあえて延期しない理由として、アカデミー賞をはじめとする賞レース参戦を狙っていること、同じくジョン・ポール・ゲティ3世誘拐事件を題材にした、ダニー・ボイル監督による米ケーブル局FXの新作ドラマシリーズ「Trust(原題)」が来年1月から放送スタートすることを踏まえ、その前に同作を公開したいと考えていることを挙げている。