フィリピンのHF・ヤンバオ監督、撮影の極意はゲリラで手持ちカメラ「登場人物の1人になって」

2017年10月27日 17:56


ティーチインに臨んだHF・ヤンバオ監督
ティーチインに臨んだHF・ヤンバオ監督

[映画.com ニュース] 第30回東京国際映画祭の国際交流基金アジアセンターによる「CROSSCUT ASIA ネクスト!東南アジア」部門で、フィリピン映画「キリスト」が10月27日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映された。

闘鶏で稼いだ金で暮らす若者を主人公に、裏社会から現代フィリピンを投影した人間ドラマ。フィリピン以外でのインターナショナルプレミアとなり、上映後にティーチインに臨んだHF・ヤンバオ監督は笑顔を見せた。

闘鶏は同国では“メジャー”なギャンブルだそうだが、「実際の闘鶏のアリーナにカメラと俳優を入れ込んで、3日間かけて撮った。最初のうちはカメラが邪魔になることもあったけれど、3日目には皆気にならなくなって、客が俳優に『賭けてみないか』と声をかけていたよ」と、ゲリラ的な撮影だったと説明。しかも、カメラはすべて手持ちで「まさにアリーナの中にいるような、登場人物の1人として見ているような感覚になってほしかったんだ」と意図を説明した。

それ以外のほぼ全編で最低限の許可は取ったものの、日常の中にカメラを入れて撮影するスタイルを採り「卒業式のシーンでは、参加者が誰も映画の撮影だとは気が付かなかったし、主人公が十字架を背負って歩くシーンはあまりに自然で、外国人のリポーターがインタビューをしにきたくらいだったよ。もちろん、その時はちゃんと説明したけれどね」とニヤリ。そのため、背景に映っている人物はほとんど一般人だそうだが、「フィリピンの人は、自分の街で撮影していることを知るとすごく喜ぶんだ。特にインディ映画では、ギャラが出なくても前向きに参加してくれるよ」と明かしていた。

第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催される。

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