門脇麦、「二重生活」撮影で長谷川博己を徹底“尾行”!「ニヤニヤしながら見ていた」

2016年6月15日 14:20


原作者の小池真理子氏も駆け付けた
原作者の小池真理子氏も駆け付けた

[映画.com ニュース] “尾行”にのめり込んでいく大学院生を描いた「二重生活」の完成披露試写会が6月14日、東京・新宿ピカデリーで行われ、門脇麦長谷川博己菅田将暉リリー・フランキー岸善幸監督が舞台挨拶に立った。

修士論文の準備に追われる大学院生・珠(門脇)は、担当の篠原教授(リリー)から、1人の対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を提案される。尾行に抵抗感を覚える珠だったが、ある日、書店で自室マンションの隣に住む編集者の石坂(長谷川)を目撃し、尾行を開始する。菅田は、珠の恋人のゲームグラフィックデザイナー・卓也を演じている。

珠の尾行シーンが本作の1つの見せ場だが、臨場感を重視するため「監督から『ゲリラでやりますよ。青山通りをカメラで追っかけますから』と言われた」(長谷川)という。門脇は「尾行シーンは対象に集中すればいいから気楽でした。長谷川さん(演じる石坂)と女性とのいざこざが面白くてニヤニヤしながら見ていました。長谷川さんはいきなりしゃがんで靴ひもを結んだり、お店を見たりする。そういうときに顔を隠すのが楽しかった」と満喫したようだが、長谷川は「役といえど、ずっと尾行されてすごく嫌な気持ちになりました。視線というか、嫌なものを感じるんです」と証言していた。

本作で劇場映画監督デビューを飾った岸監督に対しては、門脇と菅田は「画を撮るより空気を切り取る、生のものを拾い上げる。自分が目指すものがベースにある現場は初めてですごく幸せでした」(門脇)、「監督がセットの説明をしたらすぐ本番が始まる。一発目にやる新鮮さを切り取ろうとする姿勢が好き」(菅田)と最敬礼。一方、長谷川とリリーは「静かなサディスト。結構なものを要求するのに『お任せします』と言う。今までの役を作るのとは違う感覚になりました」(長谷川)、「撮り方が独特で、強じんな粘着質。(撮影は)一生終わらないんじゃないかと思う」(リリー)と冗談交じりに非難し、岸監督は照れ笑いを浮かべていた。舞台挨拶に駆けつけた原作者の小池真理子氏は、岸監督をねぎらいつつ「こんなに素敵な方々に演じてもらえてうれしい」とキャスト陣のハマり具合を絶賛した。

本作では、尾行をきっかけにさまざまな人間の“裏の顔”が暴かれていくが、リリーは「長谷川くんは20年前に出版社で僕の原稿を取りに来るアルバイトをしていた。そういう意味では僕が尾行されていたんです。当時の僕の仕事場にはエッチな日本映画のポスターがたくさん貼ってあったんですが、長谷川くんだけが食らいついてきた」と暴露し、場内を爆笑に包んだ。

二重生活」は、6月25日から全国公開。

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