「マネー・ショート」C・ベール、伝説の金融トレーダーによる“本人提供”衣装に感激
2016年2月23日 17:00
[映画.com ニュース]2008年に発生した世界的金融危機“リーマンショック”を予見した4人のアウトローを描き、第88回アカデミー賞で5部門にノミネートされた「マネー・ショート 華麗なる大逆転」に出演したクリスチャン・ベールが、自らが演じた実在の金融トレーダーとのエピソードを明かした。
映画は、ヘビーメタル好きの金融トレーダー・マイケル(ベール)、激情家のヘッジファンド・マネージャーのマーク(スティーブ・カレル)、野心的な銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)、伝説の銀行家ベン(ブラッド・ピット)といった男たちが、ウォール街を相手にマネーゲームを仕掛けるさまをスピーディに描く。
ベールが演じたマイケルは、常にTシャツと短パン姿を好む風変わりな男。役作りのため本人と対面したベールは「彼は、特定のブランドのTシャツしか着ないのだと教えてくれた。(それだけでなく)『何なら僕の服を送るよ』と(国際輸送サービス)FedExで送ってくれたんだ」と明かす。実際のマイケルは、パタゴニアの短パンとビルケンシュトックのサンダルを愛用していたそうで、劇中でもそのスタイルが忠実に再現されている。
公開された特別映像では、「アウトロー」(12)などでも衣装を手がけたスーザン・マシスンが「実在の人物の本質をとらえるのが難しかったわ。本物のマイケルはルーズな服を好む。考えごとの邪魔にならないようにね。だからTシャツに短パンという格好を再現したの」と証言している。
また、特別映像では、編集と撮影にもフォーカスを当てる。「ツリー・オブ・ライフ」(11)で知られるハンク・コーウィンが編集を手がけ、作品にダイナミズムをもたらした。コーウィンは「難しかったのは、どう動きを与えて躍動感や面白みを出すかだった。アグレッシブなマークが登場するシーンは、見栄えを気にせず思い切ったカットを用いて彼の異常なこだわりを強調した」と解説。ベールとアダム・マッケイ監督も「会話をさえぎるようにカットしているシーンがあって、なぜか最高にしっくり来る」(ベール)、「今までも編集者には恵まれてきたが、こんなのは初めてだ」(マッケイ監督)とすっかりほれ込んだ様子を見せる。
さらに、撮影では「ハート・ロッカー」(08)や「キャプテン・フィリップス」(13)といった臨場感あふれる画作りが持ち味のバリー・アクロイドを起用。マッケイ監督は「バリーに撮影を頼んだのは人間味ある作品にするためだ。長焦点レンズの覗き見のような視点はスリル満点だよ」と画面の説得力に太鼓判を押している。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は、映画「マネーボール」(11)の原作者マイケル・ルイス氏によるノンフィクションを映画化。3月4日から全国公開。