新進女優・宮下かな子、大恩人・本広克行監督へ誓う「いつか恩返しを」
2016年2月18日 12:00
[映画.com ニュース] 新進女優の宮下かな子が、本広克行監督がディレクターを務める香川の「さぬき映画祭2016」に参加し、連日行われた舞台挨拶でMCに初挑戦した。宮下は、「自分の無知さに悔しくなった。もっと映画のことを勉強しなければいけませんね」と意欲を燃やしている。
都内の女子大学に通う20歳の宮下は、内野聖陽が主演した「罪の余白」へのエキストラ出演がきっかけでスカウトされ、本格的にデビューを果たす。本広監督が平田オリザ氏の戯曲を演出した舞台「転校生」では、約70倍の倍率を勝ち抜き、キャスト21人の中に食い込んだ有望株だ。
宮下は、「転校生」出演を「転機だったと思います」と語り、本広監督に対しては「何でも相談できる大恩人。私は人のことを気にしちゃうタイプなのですが、本広さんにはモヤモヤした気持ちをさらけ出せるし、弱音も吐けてしまうんです」と全幅の信頼を寄せる。同年代の女優たちとの共演は大きな刺激になったようで、「演技経験はゼロに近いし、受かるとは思っていませんでした。役名を頂いたのも初めてでしたし。21人いて私だけ素人みたいですごく焦って、帰り道に泣いたこともありました。でも必死に家で練習をしていたら、本広さんが変化に気づいてくれて。あれは励みになりましたね」とほほ笑む。
さぬき映画祭2016ではMCとして奔走し、夜の懇親会では山田洋次監督、大林宣彦監督、押井守監督、是枝裕和監督、行定勲監督らに挨拶をして回る充実ぶり。宮下に貴重な経験を積まそうと考えた、本広監督の“親心”がうかがえるだけに「声をかけて頂いて本当に嬉しかったんです。いつか本広さんに恩返しがしたいんです」と真摯な眼差(まなざ)しを注ぐ。
大林監督からは「欠点がない」と言われたそうで、「『女優さんは欠点がある方がいい。欠点がないことが君の欠点』とおっしゃって頂きました。やりたくない役にチャレンジしてみることが、変わるきっかけになるんじゃないかな…とも。いつか、女優として映画祭に戻ってきたいです」と、きっぱり言い切る姿からは大いなる可能性が放たれていた。