タランティーノが絶賛の新感覚ホラー「イット・フォローズ」監督、構想は自身の悪夢から

2016年1月7日 17:00


カメラワークのこだわりを感じさせる一場面
カメラワークのこだわりを感じさせる一場面

[映画.com ニュース]全米でわずか4館の公開から口コミで話題となり、1600館まで拡大したホラー映画「イット・フォローズ」が、1月8日から公開される。クエンティン・タランティーノ監督も「とにかく恐い! こんな設定のホラーは見たことがない!」と絶賛する本作の監督、デビッド・ロバート・ミッチェルが作品について語った。合わせて、監督のこだわりを感じさせる劇中写真が公開された。

ある男と一夜を共にした19歳の女子大生ジェイ。しかしその男が豹変し、ジェイは椅子に縛り付けられてしまう。男はジェイに「それ」をうつしたこと、そして「それ」に捕まったら必ず死ぬことを彼女に告げる。「それ」は人にうつすことができるが、うつした相手が死んだら自分に戻ってくるという。ジェイは刻一刻と迫ってくる「それ」から逃げ延びようとする。謎の存在に付け狙われたヒロインの恐怖を描いたホラー。ミッチェル監督の長編第2作で、「ザ・ゲスト」のマイカ・モンローが主演。

脚本も手がけたミッチェル監督は、本作製作について「映画の設定を思いついたのは、子ども時代の悪夢がきっかけなんだ。10歳の頃に何度も見た夢だよ。何かが追いかけてくる夢を見た人は大勢いると思う。僕の悪夢の中では、“それ”はゆっくりだけど、とにかくしつこいんだ。僕は学校の遊び場にいて、普通の子が僕の方に近づいてくるのを見ている。僕は走って逃げる。丸々1ブロック走ってから、立ち止まって待つんだ。しばらくすると、遠くで、その少年が角を曲がり、僕をゆっくりと追い掛けてくるのが見える。“それ”はいつも姿・形が違った。もっとあとになって、そんな悪夢を見なくなってから、この夢を映画にしたら面白いと思ったんだ」と幼少期に見た悪夢がきっかけになったと明かす。

画像2

とりわけカメラワークにこだわり、「僕が初めて撮った映画には、もっと主観的なカメラワークがあったけど、今回はもっと客観的にしたかった。人は、もし何か危険なものが近づいてきていたとしても、必ずしも気づくとは限らないよね。その感覚が作り出せるよう、カメラが何を見ているのか、その焦点を観客にわからないように、カメラと演者の距離を少し遠くに離して撮影したんだ。“それ”の存在をはっきり示すのではなく、観客に“それ”を段々と気付かせることによって、不安を感じるよう演出したんだ」という。

ティーンの青春とホラーをレトロかつカラフルな映像で描き出す。「僕はリアルな世界を作るのは好きじゃない。だから、この映画の時代設定も明確にせず、昔を描いているわけでも今を描いているわけでもなく、あえてあいまいにしているんだ。所々に現代を感じる要素を入れているけど、少しだけ時間枠から外れた世界を描きたかった」と語り、これまでのホラー映画とは一味違った独特な世界観について語った。

イット・フォローズ」は、1月8日から東京・TOHOシネマズ六本木ほか全国で公開。

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