根深い差別を浮き彫りにする樹木希林主演作「あん」予告編＆ウェブ限定画像公開

（C）2015映画「あん」製作委員会／COMME DES CINEMAS／ TWENTY TWENTY VISION／ZDF-ARTE

［映画.com ニュース］樹木希林主演の河瀬直美監督最新作「あん」の予告編とウェブ限定画像が公開された。このほど公開された限定画像では、満開の桜の木の下にたたずむ樹木、永瀬正敏、樹木の孫娘である内田伽羅の姿が切り取られ、その複雑な表情からは映画で描かれる人生の喜びや葛藤、悲しみや切なさがうかがえる。

ドリアン助川氏の同名小説を原作に、世界的に評価の高い河瀬監督が映画化。徳江（樹木）は、どら焼き屋「どら春」の雇われ店長・千太郎（永瀬）のもとで働くことになる。しかし徳江が過去にハンセン病を患っていたという噂が流れ、徳江は姿を消す。千太郎は、徳江と心を通わせていた近所の女子中学生ワカナ（内田）とともに、徳江の足跡をたどる。

予告編では、千太郎が働くどら焼き屋に自ら作った粒あんを持ち込む徳江と、その美味しさに感動した千太郎が徳江を雇い入れ、朗らかな時間が流れる様子が映し出される。しかし、徳江が過去にハンセン病患者であったという情報がもたらされ、噂の広がりとともに客足が遠のいていく。徳江を雇い続けられなくなり、涙を流して葛藤する千太郎と、静かに店を去る徳江の姿が映し出され、根深い差別問題を浮き彫りにする。

オーディションで役を勝ち取り、祖母である樹木との初共演を果たした内田の瑞々しい演技や、浅田美代子、水野美紀、市原悦子らの姿を確認することができる。「あん」は、5月30日から全国で公開。