「雲のかなた」ペペ・ジョクノ監督、災害多発するフィリピンに警鐘鳴らす

2014年10月30日 16:00


(左から)ルル・マドリッド、ペペ・スミス、 ビアンカ・バルブエナ、ペペ・ジョクノ監督
(左から)ルル・マドリッド、ペペ・スミス、 ビアンカ・バルブエナ、ペペ・ジョクノ監督

[映画.com ニュース] 第27回東京国際映画祭アジアの未来部門に選出されたフィリピン・フランス合作「雲のかなた」が10月30日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでワールドプレミア上映され、ペペ・ジョクノ監督、出演のルル・マドリッドペペ・スミス、プロデューサーのビアンカ・バルブエナ氏がティーチインに臨んだ。

デビュー作「Clash(原題)」(2009)でベネチア国際映画祭の新人監督賞(未来の獅子賞)を受賞した、新鋭ジョクノ監督。2作目となる本作について「フィリピンというのは災害と隣り合わせで、避けては生きていけない国。2009年にケッツァーナ台風という、マニラで400人亡くなった災害があった。それに触発されて、この作品の背景になっている」ときっかけを語った。さらに「撮影中(13年4~12月)もフィリピン南部で災害があり、9000人近い方が亡くなっている。選択の余地なく災害と共存し、乗り越えていかなければいけない」と祖国の現状を説明した。

一方でジョクノ監督は、本作を通じて警鐘を鳴らす。「何故災害が多いのかというと、環境への配慮・関心の欠如だと思う。森林伐採・開発や公害などで緑地が減っている。採掘作業は国中いつもどこかで行われている」と分析し、「記憶であったり環境、文化を保全すること。そういう思いを込めました」と力強く呼びかけた。

本作では、フィリピンロック界のレジェンドと呼ばれるスミスが祖父、TVショーで活躍する若手俳優マドリッドが孫・アンディを好演。スミスは「ルル君は外見が孫じゃなくて息子によく似ている」と話し、そして「日々の暮らしを描いている映画で、自分のベストを尽くしました。皆さん、出来はどうだったでしょうか?」と観客に問いかけると、会場を温かい拍手が包んでいた。

フィリピン北部にある祖父(スミス)の家で暮らすことになった15歳のアンディ(マドリッド)。両親を亡くし、ふさぎ込んでいたアンディを、祖父は登山に誘う。山頂に辿りついたとき、2人は雲海のその先に何を見つけるのだろうか。

第27回東京国際映画祭は、10月31日まで開催。

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