市川染五郎、ガチャピン＆ムックと共演！「渋谷金王丸伝説」でまさかのタッグ

［映画.com ニュース］　歌舞伎界きってのアイデアマン・市川染五郎が、渋谷を舞台に2010年から毎夏行ってきたカブキダンス・プロジェクト「渋谷金王丸伝説」で強力な援軍を得た。今回の公演は、染五郎と渋谷区、フジテレビKIDSとの共同プロデュースにより「渋谷金王丸伝説－SPECIAL VERSION冒険の章－　カブキ国への誘い」としてバージョンアップ。人気者のガチャピン＆ムックを共演に迎え、歌舞伎を見たことがない子どもたちでも楽しめる、新しいエンタテインメントに生まれ変わる。演出・振付・出演を担当する染五郎は7月24日、都内で記者懇親会に出席し「歌舞伎という題材を使って遊ぶ、楽しい創作舞踊劇です。踊る人間のパワーを感じて歌舞伎に親しんでいただけるような、熱い熱いイベントにしたい」と意欲を語った。

悪臣たちにカブキ国を乗っ取られた王子・金王丸（染五郎）が、真のカブキ者となって国を取り戻すため、仲間たちとともに乗り出す冒険の旅。歌舞伎の名作や要素がちりばめられたストーリーを軸にした踊りとともに、観客参加型の演出も見ものだ。「歌舞伎の技ですとか足使い、見得などを、お客さまが習得する度に次の場所へ進めるという、ロールプレイング風な演出を考えています。僕自身もゲームは好きですし。金王丸を勇者に見立ていろいろなモノを使い、お客様の導きでゴールに行き着くという趣向です」

歌舞伎役者はもちろん日本舞踊家、バレエやコンテンポラリーのダンサー、ジャニーズJr.の競演もあるが、ガチャピン＆ムックはどのようなパフォーマンスを披露するのか。

「出演者の中ではいちばんの有名人ですので、大事に演出しなければと思っております(笑)。僕は『俳優祭』のときにはくまモンを演出させていただいたのですが、なかなか大変でした。こっちを見ているのか見ていないのか分からなかったり（笑）。ガチャピンとムックもいろいろ制限があるようで、おそらく大御所的な出方になるかと(笑)。キャラクターを生かした踊りを見せてもらいたいですね。僕もポンキッキーズ世代ですので、ポスター撮りでお会いしたときには『TVで見ていた有名人に会えた！』という興奮を感じました。それを自分が演出・振り付けするというのは不思議な感覚です」

歌舞伎の語源になった「傾（かぶ）く」は、現代の言葉に言い換えれば「格好いい」「とがっている」。伝統芸能という堅いイメージを取り払ってロックテイストを加えたり、「傾（かぶ）いた」パフォーマンスを通して、歌舞伎を「体験」してほしいという。

「たとえばメイクでも乗馬でも、やってみるといい体験になりますよね。自分たちが小さいとき、よく歌舞伎ごっこをしていたように、歌舞伎が遊びのひとつになればいいなと。歌舞伎というのは見たことがなくてもなんとなく、『こういうのでしょ』ってイメージがあると思うんです。隈取りだったり、こう見得を切るんでしょ、とか。題材としては、そういうふうに真っ先にイメージされるようなものを優先的に選んでいきました。子どもたちから格好よかったとか、きれいだったと思ってもらいたいですね。おかしかった、でもいいし。歌舞伎に興味を持ってもらって、いつか歌舞伎座へ足を運んでいただくまでの架け橋になれたらうれしいです」

「渋谷金王丸伝説－SPECIAL VERSION冒険の章－　カブキ国への誘い」は8月15～17日、渋谷区文化総合センター大和田さくらホールで上演される。