日本人の“心の風邪”の実態に迫る「マイク・ミルズのうつの話」予告公開
2013年9月20日 18:43
[映画.com ニュース] 米映画監督のマイク・ミルズが日本人のうつ病患者に密着取材したドキュメンタリー映画「マイク・ミルズのうつの話」の公開日が10月19日に決定し、あわせて予告編が公開された。
劇映画「サムサッカー」「人生はビギナーズ」のメガホンをとったマイク・ミルズ監督初の長編ドキュメンタリー。うつ病を抱える20~30代の男女5人の日常生活を優しく明るい目線でとらえ、病気に対する理解を深めるとともに、現代の日本社会の問題点も浮き彫りにする。
日本では2000年頃まであまり知られていなかったうつ病だが、今では約15人に1人が生涯に一度はうつ病を経験するといわれている。「心の風邪をひいていませんか?」という製薬会社のキャンペーンをきっかけに、短期間で広く周知されたと考えたミルズ監督は、その実態に迫るドキュメンタリー映画の準備に取り掛かかった。06年、うつ病をテーマにしたチャットルームで参加者を応募したところ、予想以上の反響が寄せられ、多くの患者にインタビューを敢行する。「抗うつ剤を服用していること」「日常生活をありのままに撮影されてくれること」というふたつの条件を満たす応募者の中から5人を選び、密着取材を行った。
予告編では、うつ病を改善しようと奮闘している人たちの日常が、ミルズ監督の温かく寄り添うような映像で映し出される。「嫌いな酢を毎日飲む」「朝の歯磨きは利き手ではない左手を使う」など自分なりのルールを実践する様子や、処方薬を服用する場面では、病気と向き合う懸命な姿が誇張されることなく浮かび上がり、電車の窓から外の景色を眺めたり、愛犬を抱き上げ見つめたりする日常の何気ないワンシーンの積み重ねによって、うつについての正しい認識や理解をうながす内容が示されている。
「マイク・ミルズのうつの話」は、10月19日から渋谷アップリンクほか全国で順次公開。