「ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス」展で諏訪敦彦監督がトーク

2012年12月23日 11:00


ペドロ・コスタ作品について語る諏訪敦彦監督
ペドロ・コスタ作品について語る諏訪敦彦監督

[映画.com ニュース] 品川・原美術館で開催中の展覧会「MU[無] ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス」で12月22日、ペドロ・コスタ監督の短編3作品が上映され、コスタ監督と親交のある諏訪敦彦監督によるトークイベントが行われた。

ポルトガルのスラム街で撮影された代表作「ヴァンダの部屋」など、劇映画ともドキュメンタリーともつかないコスタ監督独特の作品の構成について、イメージとショットの違いなど、ハリウッド作品をはじめとした劇映画の構成を例に挙げながら諏訪監督ならではの視点で観客に解説した。

諏訪監督は「ペドロ・コスタの映画はものすごい美意識で作られている気もするわけです。あんなに決まった構図は珍しい。『ヴァンダの部屋』でも驚くほど美しい光が捉えられていて、今回の展示でも光と影を感じられる。それが、単にひとりの美意識で作られたものではないということが、ペドロ・コスタの映像の特徴」という。

そして、「彼ら(出演者)の語っている物語は、おそらく彼らが話したいことなんです。彼らが生きてきた歴史の中で、どういう話を物語りたいかというところから、(監督と出演者の)関係は始まっていくようです。ペドロ・コスタはそこで、長い時間をかけながら、彼らと映画をともに作っていくというプロセスを作り出していくわけです。そこがドキュメンタリーとは違う」と説明。また、コスタ監督から「ひとつのカメラポジションを決めるのに2年かかったことがある」と告白されたことを明かし、観客を驚かせた。

映画と彫刻という異なる表現領域で活躍するふたりがコラボレーションした本展は、ふたりが愛する小津安二郎監督に敬意を表し、「MU[無]」と名付けられた。インスタレーション4点、彫刻6点の計10点の作品が、1930年代に邸宅として利用されていた洋館を改装した原美術館の独特の空間を生かした形で展示されている。

「MU[無] ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス」は2013年3月10日まで。

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