4000人から選ばれた無名の少女と演技未経験キャストが映画賞を総なめ!「ハッシュパピー」公開決定
2012年12月21日 17:00
[映画.com ニュース] 4000人参加のオーディションで発掘した無名の少女が主演、第28回サンダンス映画祭グランプリ、第65回カンヌ映画祭カメラドールほか3冠など数々の映画祭を席巻している話題作「ハッシュパピー バスタブ島の少女」の日本公開が来年4月に決定した。
弱冠29歳の新人監督ベン・ザイトリンが製作費200万ドル(約1億6000万円)でつくり上げた本作は、嵐によってすべてのものがさらわれていった世界の果てのバスタブ島が舞台。6歳の少女ハッシュパピーの目線を通して、ファンタジックな世界と同時に厳しい現実をオリジナリティあふれる映像で描き出す。
主人公のハッシュパピー役を射止めたのは、ニューオリンズ在住で当時5歳の少女クワベンジャネ・ウォレス。ウォレスは映画の背景となる地域に住んでおり、無類の集中力と感情豊かな知性を兼ね備えた自然児だった。演技経験はないものの映画の世界に閉じこめておくことができないほどの、ユーモアあふれるカリスマ性に誰もが魅了されたという。
また、ハッシュパピーの父親を演じたドワイト・ヘンリーも演技経験ゼロ。オーディションでは、ハリケーン・カトリーナがニューオリンズを襲った後の話や自分が経営するパン屋にかける意気込みを語った。演技指導はヘンリーが働くパン工場で行われ、その頃のヘンリーの状況を見事に役柄に落とし込んだ。2人のほか、バスタブ島の住人役もニューオリンズに住む人々から起用された。
新人監督と無名のキャスト陣が奇跡のアンサンブルを繰り広げた本作は、サンダンス、カンヌ以外でも高く評価されており、まさに今年を代表するシンデレラ・ムービーと言えるだろう。また、アカデミー賞をはじめとする全米の賞レースでも有力候補と目されており、ウォレスの史上最年少のオスカー主演女優賞受賞に期待がかかる。
「ハッシュパピー バスタブ島の少女」(公式サイトhttp://www.bathtub-movie.com)は2013年4月公開。