ゆうばり国際映画祭グランプリは、石原貴洋監督作「大阪外道」

2012年2月27日 08:00


「大阪外道」の石原貴洋監督(左)と審査員ら
「大阪外道」の石原貴洋監督(左)と審査員ら

[映画.com ニュース] 第22回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオフシアター・コンペティション部門のグランプリが2月26日、メイン会場のアディーレゆうばり会館で発表された。ノミネートされた12本からグランプリに選ばれたのは、石原貴洋監督の「大阪外道」だった。

昨年に続く参戦となった石原監督は、前回の出品作「バイオレンスPM」が北海道知事賞を受賞しているが、今年はついにグランプリを獲得。「絶対にもう一度来てやる! という気持ちが目標となった。感無量です!」と喜びを語った。同作は、大阪の下町を舞台に、ヤクザも恐れる“外道”と“非道”は共存できるのかをテーマにした、少年の成長物語。審査委員長を務めた廣木隆一監督は、「大阪の町のとらえ方がとてもファンタジーで、役者の演技にリアリティーがあった」と評した。

「大阪外道」は審査員5人の満場一致で決定。審査員のアルベルト・カレロ・ルゴ氏は「お客さんがお金をはらって見たい作品かどうかをポイントに審査した」、いまおかしんじ監督は「この作品の次の作品を見たいかどうかが決め手となった」と語った。

北海道知事賞は坂下雄一郎監督の「ビートルズ」、シネガーアワードと審査員特別賞は鈴木太一監督の「くそガキの告白」が選ばれた。廣木審査員長は「全体的にレベルが高く、選ぶのが大変だった」と各作品を称賛し、さらに審査員からの特別賞「ファンタスティック・メンション」を設けたと発表。「くそガキの告白」の主演俳優・今野浩喜(キングオブコメディ)と、「どんずまり便器」の主演女優・菜葉菜が、ベスト・アクター&アクトレス賞に輝いた。

グランプリに輝いた石原監督は、次回作の製作資金として賞金200万円を獲得。その資金をもとに、来年の同映画祭で新作をワールドプレミア上映するため、1年かけて製作に入る予定だ。昨年、「エイリアン・ビキニの逆襲」でグランプリを獲得したオ・ヨンドゥ監督は、新作「探偵ヨンゴン 義手の銃を持つ男」を引っさげて参加し、そのクオリティの高さに石原監督は「負けていられない!」と闘志を燃やした。

第22回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭は、26日午後5時の時点で、昨年の1万1085人を超える1万1871人を動員。27日のグランプリ受賞作上映後に閉幕となる。

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