カン・ジェギュ監督「『マイウェイ』でやり残したことはない」

2012年1月13日 20:20


「これまでは何の迷いもなかったのに、今作では編集で延々と悩んだ」 と言うカン・ジェギュ監督
「これまでは何の迷いもなかったのに、今作では編集で延々と悩んだ」 と言うカン・ジェギュ監督

[映画.com ニュース] 第二次大戦中の満州からシベリア、ノルマンディーに至る1万2000キロの壮絶な旅を通して、反目しあっていた日韓2人の若者がかけがえのない絆を築いていく姿を描く「マイウェイ 12,000キロの真実」。前作「ブラザーフッド」から7年ぶりにメガホンをとったカン・ジェギュ監督が、作品に込めた思いを語った。

「自分が持っているものすべてを尽くした。やり残したことはない」と言い切るカン・ジェギュ監督。「プライベート・ライアン」をしのぐとも話題のノモンハン、ジェコーフスキー、ノルマンディーで繰り広げられる壮絶な戦闘シーンに、日本人と朝鮮人、複雑な思いを抱える民族間の濃厚なドラマが盛り込まれる。145分の韓国映画史上最大のスペクタクルは、「シュリ」で“泣けるアクション”を成立させたカン・ジェギュ監督の面目躍如となる作品となった。

実際のノルマンディー上陸作戦時に撮影された、ドイツ軍の軍服を着た東洋人の写真にインスピレーションを受け、同作の製作を決意したという監督。「写真では1人しか写っていませんが、(実際の調査の)結論として、朝鮮人と日本人が多かったことが分かっています。互いに複雑な国民感情を抱きながらも、長い旅の果てにきっとお互いを許し合ったと思うんです。そこにすごくひかれた」と語る。

「最初は(チャン・ドンゴンが演じる)ジュンシクに、ストーリーの重きを置いていました。製作が進むにつれて、『観客は誰のことを追いながら映画を見ていくのか?』という考えが沸き、『それは(オダギリジョーが演じる)辰雄の方じゃないのか?』という考えに至りました。それからはオダギリさんと会話を積み重ね、目線が辰雄の方へと変わっていったんです」

こうした“変化”は、やがて作品に込めたメッセージ性をも変えていく。「日本と韓国はとても近い国ですが、もっと心を開いて近づく必要があると思います。夢を捨てずに変わらない男と、旅の中で変化していく男を対比させるのは、当初は意図していなかったことですが、この映画をきっかけにして、お互いをもっと変えていかなければいけないと考えてもらえるとうれしいです」

マイウェイ 12,000キロの真実」は、1月14日から全国で公開。

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