佐野伸寿監督、カザフスタン大使館勤務時に低予算映画を伝授

2011年10月29日 13:37


舞台挨拶に立った佐野伸寿監督
舞台挨拶に立った佐野伸寿監督

[映画.com ニュース] 日本、カザフスタン合作で製作された「春、一番最初に降る雨」が10月29日、第24回東京国際映画祭の日本映画・ある視点部門で公式上映され、佐野伸寿監督、エルラン・ヌルムハンベトフ監督、ムラト・ヌグマノフプロデューサー、アナスタシア・ビルツォーバらが東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで舞台挨拶に立った。

子役としてキャリアをスタートさせた佐野監督は映画業界で活躍するかたわら、現在は自衛隊学校でスポーツ選手の取材活動を行っている。在カザフスタン大使館に勤務した経験を持ち、同国を舞台にした映画製作に取り組んだきっかけは「駐在時に東京国際映画祭にカザフスタンの映画を送ってほしいと依頼された」ことだという。「でも当時のカザフスタンはお金がなくて新しい作品がつくれず、古い映画を送ることしかできなかった。自分は低予算の作品ばかりつくっていたので、その方法を広めたんです」と明かした。

ウイグルからきた少年」(2008)に続きヌルムハンベトフ監督が共同でメガホンをとり、カザフスタンの大自然を舞台に、素朴な生活を送る家族とシャーマンの姿を通して“再生と共生”を描く。「もともと映画をやろうなんて思っていなかったけれど、エルラン監督からお願いされて今回も出ることになりました」と語る女優のビルツォーバも同作に出演しており、気心の知れたメンバーで撮影に臨んだようだ。

カザフスタンを代表するヌグマノフプロデューサーは、佐野監督と10年以上の親交があるそうで、今作では撮影監督も兼ねた。第9回東京国際映画祭ヤングシネマ部門で東京ゴールド賞、東京都知事賞を受賞した「ラスト・ホリデイ」(96)でも一緒に仕事をしており、「慣れていることもあり楽しいひと時でした」と笑顔をのぞかせた。

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