鈴木杏、「家族X」監督の提案に驚がく

2011年9月28日 20:43


「家族X」のトークショーに出席した鈴木杏
「家族X」のトークショーに出席した鈴木杏

[映画.com ニュース] 女優の鈴木杏が9月28日、東京・渋谷のユーロスペース2で行われた映画「家族X」のトークショーに出席した。鈴木が季刊「真夜中」(リトルモア)に、吉田光希監督が手掛けた本作と「症例X」のレビューを寄稿したことから、今回の対談が実現。本作で“家庭内行方不明者”に挑んだ吉田監督が、「精神的に追い込まれた状態を描くため、外では笑顔だけど中ではつらい思いをさせる。そういう描き方を今度はしてみようかな」と今後の構想を明かすと、「どんどん役者につらい思いをさせる監督になりそうですね」と驚きを隠せない様子だった。

「すごく疲労する映画」だったと感想を述べた鈴木は、「砂をかまされる気持ちというか、ざらっとしたものがたまっていきます。最初は距離感を持って見ていたのに、巻き込まれてしまう」と絶賛。そして「会話が少ないことがこんなに怖い空気を作り出すんだ、と実感しました。声を掛け合うことは大事なんだな」と感心しきりだった。

一方の吉田監督は、「ここにある家族を見つめることを大事にしたかったんです。シナリオの行間に何があるのかを感じてほしい」と説明。そして「俳優の中にあるリアリティに触れることが映画だと思います。監督と俳優の関係を一歩踏み込めると思ったんです」と真しな眼差(まなざ)しで語った。

見どころは「コミュニケーションがとれなくても、同じ方向を向くようになる。こういうことが希望なのかな。同じ方向を一緒に見られる人がいることはあたたかくて心強いこと」(鈴木)、「海外の映画祭をいくつか回った中で、ラストシーンに対する感想が違ったんです。ひとつの映画を見て、別の見方ができるんです」(吉田監督)とアピールした。

完璧な家庭を作ろうとするあまり、呼吸する場所を失ってしまった主婦・路子。夫と息子も家庭に居場所を見出すことができず、会話のないまま日々を過ごす。路子の精神が限界を迎えたことをきっかけに、お互いの姿を見失ってしまった家族が再び向き合う姿を描く。南果歩田口トモロヲ郭智博筒井真理子村上淳らが出演している。

家族X」は全国で公開中。

Amazonで今すぐ購入

フォトギャラリー

DVD・ブルーレイ

Powered by価格.com

関連ニュース