ディズニー辞退のアニー賞は「ヒックとドラゴン」の勝利
2011年2月7日 16:03
[映画.com ニュース] アニメーションのアカデミー賞と言われる第38回アニー賞授賞式が、2月5日(現地時間)に行われ、長編アニメーション作品賞にドリームワークスの「ヒックとドラゴン」が選ばれた。
ただし、これで2010年度の最優秀アニメ映画を「ヒックとドラゴン」と判断するのは時期尚早。今回のアニー賞を、ウォルト・ディズニーおよび子会社のピクサーがボイコットしているためだ。同賞は国際アニメーション協会(ASIFA)に所属する会員の投票によって決められるが、会費さえ払えば誰でも投票資格を得ることができるため、ドリームワークスが会費を負担することで関係者の会員を大きく増やしたという経緯がある。
その結果、09年のアニー賞では、各映画賞のアニメ部門を独占し、アカデミー賞長篇アニメ映画賞を受賞したピクサーの「WALL・E/ウォーリー」が無冠に終わり、ドリームワークスの「カンフー・パンダ」が作品賞を含む10部門を独占するという“珍事”が起きた。
事態を重く見たディズニー・アニメーション・スタジオ、および、ピクサー・アニメーション・スタジオを率いるエド・キャットマル社長は、ASIFAに対して投票基準の見直しを迫っていたが、満足できる改善案が提示されなかったとして、10年夏にアニー賞からの辞退を表明していた。