「アメリ」のジュネ監督が「ハリー・ポッター」を断った理由とは?

2010年8月25日 11:27


他人の作った世界観には興味なし
他人の作った世界観には興味なし

[映画.com ニュース] フランスの鬼才ジャン=ピエール・ジュネ監督が手がけた、5年ぶり最新作「ミックマック」が9月4日から公開となる。「アメリ」の大ヒットで知られるジュネ監督だが、「ミックマック」を手がける以前、「ハリー・ポッター」シリーズの監督を断っていたことが分かった。

独自の映像美やキャラクター、ブラックユーモアにあふれた作風から“フランスのティム・バートン”とも言われるジュネ監督。前作「ロング・エンゲージメント」を撮り終えた後、「ハリー・ポッター」シリーズを製作するワーナー・ブラザースから、第5弾「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の監督をオファーされた。

しかし、「僕の立場を明確に自覚できなかったし、どのようにアプローチできるかはっきりしなかったから」という理由で断ったという。「『ハリー・ポッター』という作品はすでに世界観が確立していたし、背景や衣装もすでに出来あがっていた。俳優陣も、すでに第4部まで撮り終えているから、どうやって演技するか熟知していたしね。だから、本当に自分のなかでやりたいという思いが湧き起こらない状態で引き受けるのは、荷が重すぎると思った。それに、正直に言うと、魔女や魔法の杖、空飛ぶほうきで全てを可能にする物語を自分が描くことに興味を感じなかった」と告白している。

ジュネ監督は、かつて「エイリアン4」でシリーズものの監督も経験しているが「あのときは逆に、自分のカラーを出すこと、僕の世界を多少なりとも描くことが前提だった」と語り、あくまで自らの世界観を描くことへのこだわりをのぞかせている。

ミックマック」は、発砲事件に巻き込まれ頭に流れ弾が残ったまま生きていく羽目になった主人公バジルが、銃弾を作った会社と、30年前に父親の命を奪った地雷を製造した会社をこらしめるため、仲間たちとともにイタズラを仕かける物語。「アメリ」にも通じるイタズラ心で、現代のパリを舞台に独自の世界観を描いている。

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