「おくりびと」モントリオール映画祭グランプリの受賞報告会見

2008年9月4日 12:00


映画初脚本がグランプリに
映画初脚本がグランプリに

[映画.com ニュース] 第32回モントリオール世界映画祭(8月21日~9月1日)でグランプリを獲得した「おくりびと」(滝田洋二郎監督)の受賞報告会見が、9月3日、東京・汐留の電通ホールにて行われ、主演の本木雅弘、脚本の小山薫堂が登壇した。

本作は、ひょんなことから遺体を棺に納める“納棺師”の見習いになった大悟(本木)が、さまざまな死と向き合い、人生や家族愛を見つめる物語。本木のほか、広末涼子山崎努ら豪華キャストが出演している。

未だに受賞の実感がわかないと話す本木は、「北京オリンピックのメダリストの方々が、『この喜びを自分を支えてくれた人々と分かち合いたい』と話されていましたが、それと全く同じような心境です。映画というのはまさに総合力の賜物だと思います」と、喜びとスタッフへの感謝の気持ちを述べた。放送作家で本作が初の映画脚本となる小山は、「脚本賞を取ったわけではないのでこの場にいるのはおこがましいのですが、娘を滝田洋二郎の所へ出したら、篤姫になって帰ってきたような心境です。福田(康夫)さんも見ていたら辞めなかったんじゃないか。男が働くという意味を日本中の政治家に伝えたいです」と時事ネタを交えて挨拶した。

極めて日本的な風習を扱った本作が海外でも受け入れられた理由について、本木は「日本人独特の死生観は、亡くなった人を生きている人と同様に扱う。そのこと自体は珍しく映ったかもしれないが、別れの時間を慈しむ人々の姿は全世界共通の普遍的なテーマだと思う」と分析。また、「滝田監督とも交流のある義父の内田裕也から『モトキオメデトウ。オレハトロントヲネラウ』という、いつものカタカナ文字のファックスをもらいました」と笑いながら話した。

会場では、滝田監督と本木の妻役を演じた広末が受賞の喜びを語ったビデオメッセージほか、その日モントリオールから届いたばかりの金色のトロフィーが披露された。

おくりびと」は9月13日より全国ロードショー。

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