トム・クルーズ主演作「ワルキューレ」が今年度オスカー戦線に!
2008年8月19日 12:00
[映画.com ニュース] トム・クルーズ主演の戦争映画大作「ワルキューレ」(ブライアン・シンガー監督)が、年内の12月26日に全米公開されることになった。同作を製作・配給するMGMが急遽発表した。
「ワルキューレ」は、1944年7月にアドルフ・ヒトラー総統の暗殺計画を企てた独陸軍将校クラウス・フォン・シュタウフェンベルグ中佐(クルーズ)の実話に基づくサスペンススリラー。
クルーズの主演俳優生活25周年記念にあたる今年、同作は当初その目玉作品として今夏全米公開される予定だったが、いったん来年2月13日に変更。だが、最近MGM社内で行われた試写で好感触を得られたことから、今年度のアカデミー賞レースにギリギリ間に合う12月26日の公開に踏み切ったようだ。
だが一方で、クルーズの元エージェントで長年のビジネスパートナーだったポーラ・ワグナーが、UA(ユナイテッド・アーティスツ)のCEOの座を去ることが、先週13日に発表された。
06年に、クルーズとワグナーはUA(チャールズ・チャップリンらが1919年創立)の再建に乗り出し、親会社MGMとともに共同経営者になった。だが、2年間にUAが製作した作品は「大いなる陰謀」(ロバート・レッドフォード監督)と「ワルキュ−レ」の2本のみ。クルーズの次回主演作が発表されてもすぐにキャンセルされ、ワグナーが企画にゴーサインを出しても、MGM側が拒否するなど衝突がしばしばだった。そのためか、投資会社メリルリンチがUAへ融資していた運転資金5億ドルもほとんど手付かずだった。ワグナーは今後もUAの持ち株を手放さず、在職中に着手していた企画を続行してプロデュースするという。
最近、フランス製スパイ映画(ラッセ・ハルストレム監督)のリメイク作「ザ・ツーリスト」に主演すると報じられたクルーズは、「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(11月15日日本公開)に肉襦袢姿でサプライズ出演して話題を提供したばかり。クルーズ本人は、スリラー路線を標榜していたワグナーとは違って、「ザ・エージェント」タイプのコメディ「フード・ファイト」に意欲を示すなどコメディ路線を模索していたという。長年のパートナーを失ったクルーズとUAの今後が気になるところだ。