ロカルノから東京へ!小林政広監督「愛の予感」凱旋上映

2007年10月22日 12:00


説明過多なセリフは不要! (左から)渡辺真起子、小林政広監督
説明過多なセリフは不要! (左から)渡辺真起子、小林政広監督

[映画.com ニュース] 第20回東京国際映画祭の2日目となる10月21日、日本映画の多様性に着目する「日本映画・ある視点」部門にて、本年度スイスのロカルノ国際映画祭で金豹賞(グランプリ)に輝いた「愛の予感」が上映され、監督・脚本・主演を努めた小林政広と、同じく主演の渡辺真起子が舞台挨拶に立った。

同作は、14歳の少女による同級生刺殺事件を経て、北海道の街で再会した被害者の父(小林)と加害者の母(渡辺)との魂の触れ合いを、淡々とした日常描写を積み重ねて描いた作品。

日本人監督として実相寺昭雄監督の「無常」以来37年ぶりのロカルノ・グランプリ受賞の快挙を果たした小林監督は、来場した観客に感謝を述べ、自作を「忍耐を強いられる作品です」と紹介。渡辺は「男と女が一歩一歩、毎日足を進めて近づいていくところを見てほしい」と語り、「決して監督が言うような“寝てしまう”作品じゃないと思います」と笑いを誘った。

上映終了後には、小林監督によるティーチインも行われ、“序盤とラスト以外は音楽もセリフもほとんどない”構成ということもあり、熱心な観客から多くの質問が寄せられた。シナリオライター出身の小林監督は「セリフはあくまでも“説明”でしかない」という自論を展開しつつ、昨今の邦画ヒット作を例に挙げ、「(そうした作品では成立していない)“映画の中のリアリティ”をいかに突き詰めていくかにこだわった」と作品の製作意図を述べた。

愛の予感」は、11月24日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開。

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