劇場公開日 2023年8月4日

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インスペクション ここで生きるのレビュー・感想・評価

全44件中、41~44件目を表示

4.5最後まで自分でいることを諦めない姿勢が眩しい

2023年8月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

序盤から、フルメタル・ジャケットさながらの訓練シーン。「同性愛者版の微笑みデブか?」なんて思ったりもしたけどそんなことはなかった。笑

同性愛者であることがバレてから、風当たりはさらに強くなり、スクリーンを直視するのが怖くなるくらいの緊張感のあるシーンの数々。
そんななかでも、自分自身や仲間と向き合い、ひたむきに努力をして前を向き続きた主人公の姿が眩しい。ときに涙しながら、くじけながら進んでいく主人公の姿に思いっきり感情移入した。少しずつ、その姿勢が報われていく展開に心が救われた。
最後、母との会話シーンで仲間たちが「俺たちは仲間だ」と言うところ、「諦めずに向き合い続ければ認められる」ということの証明だったと思う。
やり遂げられたからこそ、主人公は母親に対しても「母さんとの関係を諦めない」とブレずに言えたのだと思う。どこまでも、諦めない姿勢、とてもカッコよかった。

母さんとの関係は、私が最初に思い描いていたよりも難しく、複雑な問題だった。
母の、「あなたを愛している。いつまでも愛し続ける。でも、受け入れることはできない。」というセリフ…。
宗教や信条が関わっているので、私にはその心情があまり理解できなかった…。1番の理解者であってほしい親に、そんなふうに勘当されてしまったら、私なら絶対立ち直れない…。

主人公も仲間たちも士官も、訓練所という場所柄言葉は少なくいつでも厳しいけど、そのぶんトイレのシーンやあの優しい士官の廊下でのシーンなどプライベートになったときの人間らしさが際立っていた。

同性愛者の主人公が訓練所で直面する、シャワーやトイレや夜の見回りでのあれそれ…監督の実体験が、リアルに再現されているのだろうなと思って、感慨深かった。
あと、2005年ってつい最近のはずなのに、同性愛者に対する風当たりってここまでのものだったのかと驚き。

1番印象に残ったのは、なぜ海兵隊になりたいのか問われたときの、
「このまま死ねばただの宿無しのゲイだが、制服で死ねば英雄になれる」というセリフ。
苦難の多い環境下においても、誇り高く生きたいという、もがきがひしひしと伝わったシーンだった。

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とも

4.0痛々しいけれど小さな希望がともったように美しい

2023年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

愛されたくて、認めてもらえなくて、何かをなしたくて成せなくて自信を無くし、それでも愛する人がいて生きようと苦悩する。隠していれば親子関係は修復できたけれど、自分であることを認めてほしくて、結果的に厳しい選択をする。
南部はこんなにも保守的で狭窄的なのかと、この時代こんなにも軍は非人道的で厳しかったのかとぞっとする。少数派が自己を主張することも許されず、見なかったことにして抹消する世界。
痛々しくてつらい場面が多かったけれど、ほんの小さな良心に励まされて支えられてがんばろうと奮起する主人公がいとおしい。不器用で狭窄的で愚直。歪んだ世界で蔑まれても優しさを忘れず、それでも苦難をともにしたことで一応の居場所と尊厳を手にする。限られた世界で得た尊厳だけれど国民としての誇りと自信を回復して前を見つめる姿は痛々しいけれどすがすがしくて小さな希望がともったように美しい。体力と精神力がいるが素晴らしい作品に出会えました。

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ちいまめ

4.0母から疎まれ 16歳でホームレス このままだと死ぬか犯罪者になって...

2023年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

母から疎まれ
16歳でホームレス
このままだと死ぬか犯罪者になってしまうからと
26歳で海兵隊を志願した青年。
軍での過酷な訓練
閉鎖的で差別、偏見や憎悪の中
"生きるため"
"居場所"を見つけるために
自らを奮い立たせ立ち向かっていく。

2005年のアメリカが舞台
監督自身の実体験を克明に描いた作品

息子がゲイである事を受け入れられない母
(宗教的なことか、時代背景なのか)
(私には理解ができなかった)
そんな母に対して諦めず向き合おうとする姿
2人の関係に胸が痛む

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lily

4.0クィア

2023年7月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

2023年7月13日
映画 #インスペクション #ここで生きる (2022年)鑑賞

海兵隊の新兵へのしごきとその中で生き抜くゲイの青年のお話なんですけど、LGBTQの問題だけでなく、宗教的な背景が大きく影響しているのが興味深いです
なかなか、奥深い映画でした

@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました

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とし